ぶどう石

定点観測記録

充電期間に達成したこと

今年一発目の涙は嬉し涙だった。

ついにKAT-TUNが再始動するということで、自分でも驚くくらいうれしかった。

新曲のパフォーマンスもかっこよくて、「ああ、私の好きなKAT-TUNだ」と震えた。加えて、最後の自担であった元太くんの元気そうな姿を確認出来て、「カウコンに出られる年齢になったのね…」と感慨深く、また泣いた。新年早々ハッピーな気持ちでいっぱいになった。いい年になる予感。

 

以前、こんな記事を書いていた。

 

moon-drop.hatenadiary.com

 進捗状況を書くと言っておきながら、その後一度も書いていなかった。ひどい。そうこうしているうちにKAT-TUNの充電期間が終わってしまったので、私の充電期間について振り返ることにしたい。

 

①一つめの資格

上の記事で書いていた資格の一つは簿記検定2級のことで、これはすんなり取得できた。自分が思いのほか計算が好きだと発覚し、楽しく勉強できた。決算書の意味がわかるようになったので、取ってよかった。ただ、試験会場が寒くて電卓がたたきづらかったことが忘れられない。

 

②二つめの資格

もう一つの資格は社会保険労務士である。こちらは残念ながら、まだ取得できていない。昨年の試験は惜しいところまでいけたので、今年こそは何としても合格したい。合格はしていないものの、実は昨年の終わりに資格を生かせる職場に転職した。合格してから転職活動をするつもりだったのだが、先に実務を経験したほうがいいのではと友人に勧められ、ダメもとで仕事を探し始めたところ、運よく決まり、働くことになった。まさか転職するとは思ってもみなかったので、昨年はなかなか激動の年だった。職場に受験生仲間がいるので心強い。早く合格して一人前になりたい。

 

③婚活のその後

上の記事を書いた時点ではまだ始めていなかった婚活だが、こちらもその後のことを書いていないので少し報告を。

 

moon-drop.hatenadiary.com

 

婚活体験記の最後に出てきた人とはその後すぐに別れましたw

あれだけ、婚活終了感を醸し出しておきながらこの結末。

いい人ではあったのだが、いまいち好きになりきれなかったのと、デートで大阪城に行ったときに、私が展示してあった鎧に夢中になっていたら、いつのまにかどこかへ行ってしまってはぐれかけたことが決定打となった。鎧に食いついた私も私だが、放っておくのはひどくない??一緒に見ながら話すもんじゃないの?展示は素晴らしくてテンションが上がっていただけに、一気に冷めた。ちょうどその日は大阪城ホールでセクゾのコンサートをやっていたので、「私もあっちへ行けばよかったなあ…」と遠い目でファンの子たちを眺めていた。

「もはやこれまでか…」また振出しに戻り頭を抱えた。友人たちに「もうだめだ。婚活やめる」と愚痴ったところ、友人の一人(男)が「それなら俺の友達を紹介してあげる」と提案してきた。言ってみるものである。婚活自体では収穫がなかったものの(コミュ力は上がった)、ネタになるし、相手を探していると周りに言いやすいというメリットがあった。

そして紹介してもらい、半年かかってようやく付き合えて現在に至る。めっちゃ端折った。半年間、ずっと私が誘い続けた。そんなキャラじゃないのに我ながらよくがんばった。詳しいいきさつは別の記事にしたいと思う。これからどうなるかわからないが、また報告したい。ちなみに結婚相談所は、友人たちに愚痴った後すぐに退会した。

映画「鋼の錬金術師」を観てきました

生まれて初めて公開初日に映画を観た。レイトショーっていいね。

 

大好きな鋼の錬金術師が実写化されるというので、普段あまり映画館に行かない私が映画館へ足を運んだ。実写化の話が報じられたときは不安半分楽しみ半分だったが、主演の山田様や監督のインタビューを拝読して、楽しみが勝るようになっていった。われらが山田涼介様なら見事に演じきってくれるに違いない。私は山田様をアイドルとしてとても尊敬しているので(だから「様」づけ)、そこは完全に信頼していた。というか、エドは山田様以外に考えられない。山田様がいてくれたから実写化できたわけで、山田様には本当に感謝している。

 

率直に言ってとてもおもしろかった。

観る前は自分の中で納得がいかないキャストが何人かいたのだが、いざ観てみると驚くほど違和感がなかった。役者さんすごい。特にホムンクルスの完成度の高さよ。本郷奏多くんのエンヴィーにはキャスト発表時から期待しかなかったけれど、松雪泰子さんのラストが素晴らしくて、個人的にはもっとも再現度が高いキャラだった。ディーンさんの大佐もかっこよかったし、本田翼さんのウィンリイっぷりもよくて、全般的には満足したが、しいて言えば、エドとアルの子役はもうちょっとハーフっぽい顔立ちの子がよかったな。あと、街の人たちが日本人すぎたのがもったいない。

あまり内容には触れないようにするが、アルの声の演技が自然でうまかった。2.5次元出身の俳優さんと聞いて納得。そして、フルCGのアルのリアルさに驚く。質感が見事に表現されており、アルには表情がないはずなのに、感情が伝わってきて感動した。目の色(影?)や仕草によるのだろうけれど、工夫されている。また、実際にはアルはいないわけで、それでいてあんなに自然な演技ができる山田様もすごい。

 

タッカーがかなりフィーチャーされているのだが、タッカーが作ったキメラの正体に気づいたときのエドの表情には鳥肌が立った。うまい。ほかに、序盤で見せるエドの走り方がちょっと独特でエドそのもので、実によく研究して臨んでいるなと感じた。

原作に忠実な部分とアレンジが加えられた部分が絶妙に交わって、一つの映画としてうまく構成されていた。一瞬たりとも見飽きなかったし、錬成シーンや壁が崩れるシーンは迫力があった。鋼はさまざまな要素を含んだ複雑な物語なので、兄弟愛というテーマに絞って描かれたことで、初見の人にもわかりやすくなったのではないかと思う。まあ、世界観とかキャラクターの関係性とか初見ではわかりにくい部分もあるとは思うが。

 

漫画の実写化には賛否両論がつきものだが、私は実写化してくれてうれしかった。漫画やアニメよりも、人間が演じることで「痛み」がリアルに感じられた。何より、映画化のおかげで再び鋼が盛り上がってくれたことがうれしい。

特に何も楽しいことがなかった中学時代、たまたま観た鋼のアニメにどっぷりはまり、楽しみができて人生がいきいきとしはじめたことを忘れない。鋼がなかったら、今の私はないと断言できる。そういう意味では命の恩人といってもいいほど人生に大きな影響を与えた作品なので、一人でも多くの人に好きになってほしいなと願っている。いや、もう十分、超絶人気あるんだけどね。映画をきっかけに原作やアニメに興味を持つ人が増えたらうれしい。

私はアームストロング少将*1が一番好きなので、続編があるなら誰が演じるのだろうと、今から想像を膨らませている。映画を観る前に全巻読み返したのだが、鋼に登場する女性はみんな強いと気づいた。守ってもらおうとせず、自分で戦う。これは女性作者ならではだと思う。昔は気づかなかった。大人になってから読むと、また違った味わいがある作品である。私も強い女性になりたい。

*1:少佐のお姉さん

文通相手との30年

先日、母と東京へ旅行に行ってきた。まさかの台風直撃で天候に恵まれず、予定はだいぶ狂ったが、それでも行きたかったところへは行けたので充実した旅であった。

 

旅の目的は母の30年来の友人と会うことであった。当初は母とお友達は、はとバスで観光する予定で、その間は別行動する予定だったのだが、この天気で観光は無理だろうということになり、私も同席して3人でご飯を食べることになった。私も東京にいる友人に会うつもりだったのだが、彼女の里帰り出産と重なってしまい、どっちにしろ一人で散策しなければならなかったのでちょうどよかった。

 

母のお友達は東京生まれ東京育ち東京在住の根っからの東京の人。母は京都生まれ京都育ち京都在住の根っからの京都の人。まったく接点のない二人はどうやって出会ったのか。

 

それは文通である。

どちらかが雑誌の文通相手の募集欄に投稿し、もう一方がそれを見て手紙を送ったのが始まりらしい。初めの頃は毎週文通していたというのだから驚きである。メールやSNSのない時代ならではの交流の仕方だ。しかも毎回けっこうな分量を書いていたらしく、手紙を書く習慣がほとんどない私は少し羨ましく思った。そんなに誰かに伝えたいことがあって、それを受け取ってくれる相手がいるって素敵なことだと思う。

過去にも何度か会って、旅行に行ったこともあるらしい。いくら文面で気が合うと感じても、実際に一緒に旅行するのはなかなかハードルが高い。やすやすとハードルを越えた二人はすごい。よっぽど相性がよかったのだろう。

時が流れ、手紙のやり取りこそしなくなったが、年賀状のやり取りは続いた。実に30年以上。同級生でも学生時代の友人でも仕事仲間でもない人と30年以上も付き合いが続くなんてことがあるのか。SNSで知り合った人とすぐに縁が切れる私からすると、考えられない長さの付き合いである。手紙だからこそできたのかもしれない。

母の独身時代からのお友達と対面するのは不思議な感じがした。なんだが照れくさかった。私の知らない母を知っている人なのだ。とても感じがいい人で、母はこういう人と気が合うのかと初めて知り、誇らしく感じた。母が席を外した際に、やりとりしていた手紙の内容をこっそり教えてもらった。夜中に机に向かって手紙をしたためる当時の母の姿が目に浮かぶようだった。お友達と秘密を共有したみたいで楽しかった。友人の成人した娘と話すなんていうシチュエーションはそうそうない気がする。不思議で楽しいひとときだった。

 

実際に会う回数や頻度は少なくても、こんなにも途切れない関係を築けるのだと私はひそかに感動していた。翌日、銀座の伊東屋に行って色とりどりの便箋を眺めながら、私も誰かに気持ちを込めた手紙を書きたいと思った。

今のところ、ファンレターくらいしか思いつかないけれども。

聴ける音楽が減っていっている

過去に書いた記事を多くの方にお読みいただいているようでうれしいです。ありがとうございます。

 

さて、いきなりだが、タイトルが目下の悩みである。

前回「ハロプロ新体制」について書いたが、あのあと結局私はハロプロから離れてしまった。自分が好きだったハロプロではなくなり、一気に熱が冷め、追うことをやめた。ちょうど1年前はジャニーズから離れた*1。もはや生活の一部どころか大部分を占めていたジャニーズから離れる日が来るとは想像もしなかったが、あっさり離れてしまった。よって、最近のジャニーズ事情はほとんどわからない。「コード・ブルー」と「孤食ロボット」の有岡くんの落差に打ち震えているくらいである。有岡くんは今も好き。私も孤食ロボットがほしい。

長年、アイドルの曲ばかり聴いて生きてきた。たまにバンドにハマったり、アーティストを発掘したりはしてきたが、継続して聴いてきたのはアイドルだけである。私のiTunesの8割*2はアイドルの楽曲が占めている。ところが、ハロプロとジャニーズに冷めてから、彼らの曲が聴きづらくなってしまった。現存するハロのグループの曲には食指が動かず、Berryz工房℃-uteの曲を繰り返し聴いている。ジャニーズに関しては、何のわだかまりもなく聴けるのはKinKiくらいで、あとのグループはそれぞれ何かしら思うところがあって聴く気が起きない。

こんな状況なので、懐古でもするか、とふと思い立った。かつて好きだった女性アイドルグループ(ハロではない)の曲を久しぶりに聴いてみようと思った。彼女たちが今はどんな感じになっているのか軽い気持ちでググってみたら、なんとメンバーが一人脱退して、しかもその子によからぬ噂が立っており、目の前が真っ暗になった。知らずにいたほうがよかったかもしれない。なんてこった。したがって、彼女らの曲も聴けなくなった。

その結果、現在の私が聴ける楽曲はわずかとなってしまった。通勤の徒歩の時間に音楽は欠かせないものとなっているので、切実に困っている。いくら好きな曲であっても、何度も聴いていたら飽きてくる。ベリキューとアニソンでなんとかしのいでいるが、そろそろ限界である。誰か、いいアーティストを探すべきか。これを機にいろいろなジャンルの音楽を聴いてみるのもよさそうだが、なぜかあまり気が乗らない。

好きだった曲を聴けなくなるというのはとてもさびしい。楽曲自体は何も変化していないのだから。ただ、私の気持ちが変化しただけである。曲と歌い手を切り離して考えることができればいいのだが、それは難しい。どうしたって、曲は歌っている人の影響を受けてしまう。そもそも、歌っている人たちが好きだったから、その曲のことも好きだったわけで、切り離すことは不可能だ。

いつのまにか夏が終わり、秋の気配が漂い始めた。私は本当にアイドルに生かされていたんだなあと実感した。彼らの楽曲に何度も救われてきた。いつも元気をもらっていた。ありがとう。しばらくはこの喪失感を抱えながら歩くのも悪くない。さびしいけれど。秋にぴったりじゃないか。

*1:3年前にヲタをやめたあと、2年間は茶の間だった。

*2:数えて計算してみたら78.9%だった。

ハロプロ新体制

新体制のことが発表されたときから嫌な予感しかしなかったが、思っていた以上にダメージを受けている。どうせ、いい発表ではないのだから、何でもかかってこいやと腹をくくっていたつもりなのだが。

 

私は尾形春水ちゃん(モーニング娘。'17)推しなのだが、2推しカントリー・ガールズ森戸知沙希ちゃんである。ちぃちゃんが娘に入ってくれれば、私としてはお得になるはずなのだが、ちっともうれしくない。

ちぃちゃんだけ単独加入なのが心配だし、何より娘メンたちの態度がひどくて不安が募った。うわべでもいいから、もうちょっと明るいリアクションしろよ。どこが受け入れ態勢ばっちりなんだよ。全然居場所がなさそうじゃないか。正直娘メンにがっかりした。ちぃちゃんは芯が強そうだから何とかやっていけるとは思うが、過酷な道のりだろうな。カンガルで楽しそうにのびのびやっているちぃちゃんが好きだったから、こんな試練が待ち受けているなんて想像もしなかった。

そもそも新グループを作るなら、なぜカンガルを壊す必要があるのか。かわいいイメージでほかのグループと十分差別化が図れていたのに。たぶん、ハロが苦手な人にとっては最もとっつきやすいグループだと思うのだが。もっとうまく売り出せば、可能性は広がっただろうに。

 

 そして、Juice=Juiceの増員。J=Jはないだろうと思っていたので、しょっぱなに発表されて腰を抜かした。私はグループとしてはJ=Jが一番好きなので、できれば固定メンバーでいってほしかった。5人で支えあっている感じが好きだったし、バランスが良かった。最近、歌割が平等になってきてうれしかったところなのに。℃-uteの後継者だと思っていたので、5人のままでやっていくものと思い込んでいた。本人たちが一番戸惑っているだろうに、宮崎由加ちゃんの立ち居振る舞いには舌を巻いた。J=Jではゆかにゃ推しなのだが、ますます好きになった。さすがやで。ゆかにゃは信頼できる。段原ちゃんと梁川ちゃんが嫌なわけではなく、固定メンバーを貫くグループがあってもよかったのにと思うのだ。7人に次第に慣れていくとは思うけど、やはり別物になる。

 

アンジュルムが一番なごやかな印象を受けた。過去にいろいろなことを経験してきたグループだからか、和田彩花ちゃんを筆頭に懐が深い。船木ちゃんも川村ちゃんもすぐになじめそう。一岡ちゃんはまだしばらく宙ぶらりんということ?早く安心させてあげろよ。

 

℃-uteのラストコンサートがとても素晴らしく、改めてハロプロ最高!と盛り上がっていたところなのに、一気に突き落とされた感じだ。今回の発表で幸せになった人がいるのだろうかと疑問だが、あとで振り返ったときに、これでよかったんだと言える未来になることを願うしかない。でも、どう考えても、多くのメンバーやファンに大きなストレスを与えたことが得策とは思えない。もっと一人一人を大事に育ててあげてほしい。それでなくてもアイドルはストレスとプレッシャーが半端ない職業なのだから。ケアやサポートをすべき事務所が痛めつけてどうするんだ。

こういうときにファンは無力だと実感させられる。決まったことを受け入れるしかない。反対の声を上げたところで決定が覆ることはほぼない。本人たちのことは好きだが、事務所の方針に納得がいかずファンをやめたことがあるので、ハロはそうならないでほしい。好きなものを奪わないでほしい。

クレジットカードを不正利用されました

先日、クレジットカードの利用明細を確認したら、まったく身に覚えのない請求が含まれていることに気づいた。

1か月のうちに複数回にわたって、同じ請求元からそれぞれ約1万円ずつ請求されていた。なんじゃこりゃ。そのうち、一番最初の日付のもの以外は、同日に返金処理されている。つまり、支払いと返金が繰り返されており気味が悪い。結局、請求されているのは初回の額だけということになる。

 

すぐにカード会社に連絡したところ、調査するのでしばらく待ってほしいと言われた。数時間後に電話があり、「不正利用の疑いがあるので、後日、別の部署から連絡が入る」とのことだった。翌日さっそく連絡があり、「不正利用と判断したので、現在のカードの利用を止める。再発行の手続きに入る。」とのことだった。初回の請求額については、引き落とし日までに手続きが間に合えば引き落とされないが、間に合わない場合はいったん引き落とされ、2週間後に引き落とし口座に返金されるということだった。

私は公共料金をすべてカードで引き落としているので、カード番号変更の手続きをしないといけないのが面倒だなあと若干憂鬱になったものの、迅速に処理してもらえたので安心した。こんなに素早く対応してもらえるとは思っていなかったで、カード会社をちょっと見直した。

 

カード会社に問い合わせてから約1週間後に新しいカードが届いた。そして、引き落とし日までに手続きが間に合ったようで、不正利用の分は引き落とされずに済んだ。一件落着。

 

それにしても、いったいどこからカードの情報が漏れたのか。誰かに貸したことなどないし、暗証番号も誰も知らない。どこかでスキミングされたのだろうかとも考えたが、ショッピングサイトなどへの不正アクセスによって情報が盗まれた可能性が高い。つい数日前にぴあの個人情報流出が報じられたが、あれとは関係がない。クレジットカードだと、こういう目に遭う危険があるのだと再認識させられた。個人情報流出・漏洩のニュースはよく耳にするが、どこか他人事だった。自分の身に降りかかってはじめて、誰にでも起こりうるトラブルなのだと思った。企業もセキュリティ対策が大変だ。情報を盗む技術は日々進化していくし、いったん流出させてしまえば信頼をなくす。大変な世の中になった。マイナンバーなんて導入している場合か。

私の平匡さんはいずこ~28歳婚活体験記~③

さて、お見合い7人目となった。

向こうから申し込んでくださった方である。相手の担当者が私を紹介して、相手がお見合いしたいと申し込んだ場合、こちらに相手のプロフィールが送られてくる。それに対して私がオーケーすれば、お見合い成立となる。前回も書いたが、紹介してもらっても会えるとは限らない。それならば、確実に会ってくれる人を大事にしたほうが得策だと考えるようになった。

お見合い前日になんとかメンタルを持ち直し、楽に臨もうと決めた。期待しすぎず、気負わず。

 

やわらかい雰囲気をまとった人だった。一目で「この人はいいかもしれない」と直感した。プロフィールを拝見したときから、されている仕事が素晴らしいと思っていた。実際に会って詳しく伺ったところ、尊敬の念を抱いた。尊敬できることは、私が結婚相手に望む条件第1位なのだ。そして、話していて楽だった。また、「どんな家庭を築きたいか」という質問をされた。お見合いの場で将来の話をするのは初めてだった。私の答えに対して共感してくれ、価値観も合うと感じた。

別れ際、「よかったらまたお会いできませんか?」と言われた。そんなふうに言われたのは初めてだった。今までは、「本日はありがとうございました」と別れることしかなかったし、それが普通だと思い込んでいた。次につながる言葉が新鮮でうれしかった。「はい。よろしくお願いいたします。」と返事した。その晩、彼から電話がかかってきた。お見合いの後、それぞれの担当者に「再度会いたいか」報告することになっており、双方が会いたいと報告すれば交際成立となる。その後、お互いのフルネームと電話番号が開示される。これまで交際成立した2人はSMSでメッセージを送ってきたので、電話は新鮮だった。次の約束を取り付け、その日は終わった。初めての要素が多く、今までとは違うと心を躍らせた。

 

初めてのデートは食事に行った。やはり楽だった。向こうも「空気感が似ている」と言った。食事のあと、場所を変えてカフェでお茶をした。そこで彼が切り出した。

 

 

「結婚まで考えてもらえますか」

 

 

速え…!!

展開の速さに驚きつつも、特に不満はなかったので承諾した。これ、真剣交際ってやつだよね?普通は3回くらいデートを重ねてから始まるやつよね?

「よかった。じゃあ結婚を前提にお付き合いしましょう」

すごいな、この人。さくさく進めてくれる。気持ちをストレートに伝えてくれるところが安心するし好印象。こうして初回のデートにして、真剣交際へ突入したのであった。

 

それからしばらくは私の都合でなかなか会えなかったのだが、連絡はとっていた。メールの頻度も内容もちょうどよかった。実は、今回のお見合いから縁結びのお守りを持って行った。基本的に神頼みはしないタイプなのだが、あまりの即効性にびびる。すごいぞ平安神宮。7人目だったので、ラッキーセブンでもあった。

 

その後、現在に至るまでお付き合いは続いている。私がいろんなジャンルのオタクであることをカミングアウトしても、まったく引かず、受け入れてくれた。少しずつお互いのことを知っていければいいなと思う。無事に結婚までたどり着けるかどうかはまだわからないが、ぼちぼちやっていく所存である。

 

 

少し話が逸れるが聞いてほしい。

あまり一般的ではないのかもしれないが、私は名字にこだわりがあった。私は自分の名字が割と好きなので、言い方は悪いが、ありふれた名字や珍名過ぎる名字に変わることに抵抗がある。

選択的夫婦別姓が早く導入されてほしい。自分のアイデンティティがゆらぐ、キャリアに響くという理由ではなく、単に好きな名字を選びたいだけである。自分と相手の名字を比べて好きなほうを選べたらいいと思う。いっそトレードもありなんじゃないか。しかし、相手に自分の名字に合わせてほしいとまでは思わない。だから、別姓が認められていない現状では、夫の姓を名乗るつもりでいる。「私の名字にしてくれ」と主張することで、面倒な奴だと思われるのが面倒なので。ここで闘うような人が社会を変えていく人なのだろうけど、残念ながらそこまでのガッツは持ち合わせていない。別姓にするために事実婚を選ぶという方法もあるが、現在の日本においてはまだ法律婚の方がメリットがありそうなので選ばないだろう。なんだかんだ多数派に流れるところが、自分も日本人なのだと少々悲しい。でも、夫の姓にすることが当たり前とされている風潮はよくないと思っている。男性は自分の名字が変わるということを想定していないから、別姓の議論が進まないのだろうか。ちょっと考えてみてほしい。今日から名字が変わります、ってけっこう大きなことだと思うのだが。親が離婚したり再婚したりして名字が変わったことがある人なら、もっと別の視点があるかもしれない。

そんなふうに名字は重要な要素だったのだが、彼の名字は好みだった。この点でもクリアした。余談だが、友人と「かっこいい名字は何か」と議論したことがあり、「桐生」と「二階堂」がツートップということで話がまとまった。

 

何もせずとも出会いがあり、結婚できるならそれにこしたことはない。しかし、出会いがなければ出向くしかない。結婚相談所はお金がかかるので安易におすすめはできないが、一つの選択肢として考えてみる価値は十分ある。私は使ってよかったと思っている。もともと私は結婚願望が強い方ではなく、「いつかできたらいいな」くらいにしか考えていなかったのだが、一人暮らしが長くなり、一人の生活に飽きてきたので結婚を考え始めた。そして、いざ飛び込んでみると、不思議とその気になるもので、入会してから結婚したい気持ちが強くなった。何事も形から入ることは有効である。

いろいろな経験をし、いろいろなことを考えた濃い数か月間であった。 

ひとまず完結。