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ぶどう石

定点観測記録

私の平匡さんはいずこ~28歳婚活体験記~②

さて、前回の続きです。

とうとうお見合いをすることに。

 

お見合い1回につき10,800円かかるので、気軽にはできない。どうしても慎重になってしまう。高い入会金や月会費を払っているのだから、これくらいタダにしてほしいものだ。いちいち、1万円を出して会う価値のある相手かどうか頭を悩ませなければならない。1万円あったらいろいろできるもんな。あと、お見合いの場に使われるホテルラウンジの飲み物の高いことよ。コーヒー1杯が1000円って…。庶民にはきつい。

 

 

初めてのお見合いの前は緊張した。就活みたいに問答集なんか作って予行演習に励んだ。毎朝、鏡の前で笑顔の練習もした。立ち居振る舞い、言葉遣い、身だしなみ、表情など気を付けなければならないポイントがいくつもある。初対面の人と話すこと自体は苦手ではないのだけれども、面接に挑む気持ちに近かったのでどぎまぎした。

 

1人目の人とはわりと話が弾み、初回にしては上出来だったのではないかと思う。けっこう盛りだくさんな内容を話した。いやな感じはしなかったし、向こうの返事もオーケーだったので、また会うことになった。

生き物と触れ合えるカフェへ行った。だが、お会計のときにまさかの事態に見舞われる。財布がないというのだ。びっくりしたが、とりあえずその場では私が支払った。彼はカバンやポケットの中を必死に探しているのだが見つからない。小銭入れはあったので、払える分を渡してくれた。なぜか500円玉がたくさんあり、普通に割り勘くらいになった。「カバンに入れ忘れたのかもしれない」などと言う。それくらい確認してから来いよ。私のテンションは一気に下がった。よほどショックだったのだろう、それから黙りこくってしまった。いや、気持ちはわかるけど何か言えよ。ディナーも予約してくれていたのだが、お金がないのだからどうしようもない。私が支払うのもなあ…。しびれを切らした私の方から「今日はもうお開きにしましょうか」と提案し、帰ることになった。その後、駅に財布が届けられていたことが判明。落としていたようだ。よかったね。持ってくるのを忘れたわけではないことが分かってよかったが、かわいそうだけど、いくらなんでも間が悪すぎる。何度か会って親しくなっていたならともかく、初回でこれはない。何より、財布がないとわかったあとの対応がまずかった。もうちょっと、なんとかできるだろ。そして、ほかにも引っかかる点がいくつかあり、「なんか違うな。早く帰りたい」と内心思っていたので、こちらからお断りした。

 

2人目の人は、私がイベントで申し込んだ人だった。趣味がオタクっぽかったので気が合うのではと思い、選んだ。読みは当たった。写真よりも実物の方が素敵で、話がめちゃくちゃ楽しかった。お見合いした人の中で一番、話していて楽しい人だった。趣味だけでなく、仕事が近い分野だったこともあり、仕事や資格の話もできた。いい人だったのでまた会いたかったのだが、なんと、以前お見合いした人と真剣交際に入ることになった、という理由で断られた。おいおい、相手がいたのかよ。じゃあ会ってくれなくてもよかったのに、とはあまり思わなかった。残念ではあったけど、こんなにいい人がいるのだということがわかっただけでもよかった。断られたが、相手も私に好印象を持ってくれていたようで、会う順序が違えば、結果が違っていたかもしれない、と仰っていたそう。不倫みたいだな(笑)お世辞でもうれしかった。いい人には相手がいるという法則を身をもって学んだ。

 

3人目の人は、いい人だったがあまり話が続かなかった。初めてのお見合いだったらしく、気の毒になるほどガチガチに緊張されていた。当たり障りのない会話をなんとか続けたといった感じだった。前回の人との会話がとても楽しかったので、相手によってこんなに違うものなんだなと思った。もう話すことがないと感じたので、お断りした。

この人のときに強く思ったことがある。断られるのもつらいが、断る方がつらい、と。私の判断で相手を傷つけることになるので心苦しい。断った後、罪悪感のようなものを感じた。数日もやもやした。

 

4人目の人は、遠方から新幹線でわざわざ来て下さった。この人はとにかく会話が途切れない人だった。どんな話題でも続けられる。一緒にいて楽だった。悪いところはなく、悩んだが、遠方であることがどうしても引っかかってしまい、お断りした。私は一人っ子なので、両親が暮らす実家からあまり離れたくないと思っている。何かあったときに駆けつけられる距離にいたい。それに、知り合いが一人もいない土地に行くことに抵抗があった。また、私がそちらに行くことになれば、当然仕事も辞めざるを得なくなる*1。なんとかなるのかもしれないが、そこまで頑張ろうとは思えなかった自分勝手である。わざわざ来てもらったのに申し訳ないことをした。

 

5人目の人は、同い年だった。男性でこの年齢で活動している人はまだ少ない。親に言われて登録したそうだ。この人ははっきり言って、1万円を払う価値はなかった。何回目のお見合いか聞いてきたり、「休日は何をして過ごしていますか?」というこちらの質問に「寝ている」と返してきたり、とにかくだめだった。出会った中で最も若いのに、最も若々しさがなかった。1時間半話せることになっているのだが、耐えられず、1時間で切り上げた。1万円がもったいなくて、帰りは泣きそうだった。

 

6人目の人は、担当者が激しく勧める人だった。前の5人はイベント経由の人だったが、この人から通常の、担当者が紹介してくれる人である。ちなみに、担当者が紹介してくれた人のうち、会ってくれたのはこの人だけだった。紹介された人のうち、あと2人にお見合いを希望したのだが断られた。会ってもくれないのかよ!せっかく紹介されても、会ってもらえないのでは意味がないじゃないか。このシステムどうにかならないのか。会ってくれる人を紹介してほしい。

で、この人は長身で爽やかで、話した感じも悪くなく、印象が良かった。向こうもオーケーしてくださり、再び会うことになった。仕事終わりに食事をしたのだが、いい印象は変わらなかった。

 

が、ひとつだけ気になっていたことがあった。会ったときの印象はいいのだが、メールの印象がすこぶる悪い。かなりギャップがあり、最初は驚いた。もやもやしつつも、会ってみると悪い感じはしないので目をつぶろうと思った。誰だって欠点はあるし、お互い様だ。

しかし、限界が来た。もともと私はメールがあまり好きではなく、基本的に用件があるときにしか連絡しない。これまで関わってきた人たちも同じタイプが多かったので、毎日雑談を続けるということをあまりしたことがなかった。ところが、彼はしょっちゅうメールを送ってくるタイプの人だった。世間の人はこんな面倒なことをやっているのかと辟易しつつも、頑張って返信した。しかし、彼からの返信が早いので、返したと一息ついても、すぐに返信が来る。終わらない。内容も質問が多く、答えることに疲れてきた。こんなの会って話せばいいではないか、メールでこんなに話したら、会ったときに話題がなくなるだろと思った。

 

 

「今日は何するんですか?」

「何を食べるんですか?」

 

 

……うざい。

そんなこと聞いて楽しい?そんなことまでいちいち報告しなきゃならないの?放っておいてくれ。一人でいるときは一人の時間を楽しみたい派なので、他人に必要以上干渉されるとストレスになる。嫌になって返信しなくなった。

メールの内容と頻度に加えて、当初から、文末に「w」をつけてくることが不快だった。親しい間柄ならともかく、これから関係を築いていこうとする相手に「w」はないんじゃない?向こうの質問にこちらが答えて、返ってくるのが

「そうですかw」

聞いておいてそれかよ。小馬鹿にされているみたいで腹が立った。ひょっとして「w」の意味を知らずに使っているのかとも考えた。それはそれで無知だし、使うならちゃんと知っておけと思う。

会ったときの印象がよかっただけに残念だった。これくらいは我慢すべきなのかもしれないとも思った。でも、彼からの連絡がストレスでありプレッシャーだったので、ついていけるとは思えなかった。合わなかったとしか言いようがない。やがて、向こうから交際中止の申し出があり、承諾して終わった。

 

振り出しに戻り、精神的に追い詰められた。どんな人なら好きになれるのか、どんな人なら合うのか、私と合う人なんていないんじゃないか…。ちゃんと恋愛して結婚している人たちがすごい。タラレバでもそのような描写があったが、激しく共感した。なんで、みんなが当たり前のようにできていることを私はできないんだ。自分は欠陥人間なんじゃないか。自責と自己嫌悪が激しく、婚活をやめたいと思った。ちょっと休みたい。一人では抱えきれなくなり、母に電話した。28にもなって情けない。母もお見合いで父と結婚したのだが、それまで何回もお見合いを繰り返していたそうで、その頃のことを話してくれた。それを聞いていたらおかしくなってきて、元気が出てきた。気持ちを全部話したことでだいぶすっきりした。私は、落ち込みやすいが立ち直るのが早いので、すっかり立ち直ることができた。単純である。そして、母は偉大である。

 

婚活は就活とよく似ている。いやでも自分自身と向き合わなければならない。自分の嫌なところやダメなところを突きつけられる。そして、いいところまで行ったとしても、内定をもらえなければ、成婚に至らなければ、振り出しに戻る。 いつ終わるのかがわからない。人相手なので、自分が努力すれば、必ず結果に結びつくというものでもない。うつになる人もいるそうだが、わかる気がする。あまり思いつめず、ぼちぼちやるしかないのだろう。

さて、私の婚活どうなる!?

 

つづく

 

3/4 追記

*1:女性の側がついていかなければならないというのも不平等だが