ぶどう石

定点観測記録

アイドルが鑑賞対象から考察対象になった

アイドルを見るときの感覚が自分の中で変化してきたように思う。

以前はパフォーマンスを見たい、かわいいかっこいい姿を見たいという気持ちが強かったのだが、今はそれよりもアイドルたちの内面に関心が向いている。

というのも、私は雑誌などの紙媒体をヲタ時代よりも読むようになったのだ。ジャニーズがJr.も含め、アイドル誌以外にも頻繁に登場するようになったことが一因だと思われる。もともと雑誌はあまり買わないヲタクだったのだが、最近は買いたいと思わせるテキストが多くてつい買ってしまう。写真よりもテキストが気に入ってほしくなる。何度も読み返したくなる記事が多いのだ。

なぜそんなに読みたくなるのだろうと考えたところ、そこには彼らの人となりや考えが表れているからではないかと気づいた。ステージ上の姿からはわからない、彼らの内面が垣間見えるから。アイドル誌よりも踏み込んだ内容のものが多い*1から惹かれるのではないか。ああ、あのときはこんなふうに考えていたのか、とか、こういう人だったんだと、自分が思い描いてきたイメージと答え合わせをするような感覚が楽しい。彼らのプライベートには関心がないが*2、どんな思いでアイドルという仕事と向き合っているのかということにはとても関心がある。

私はアイドルを好きであるのと同時に、うらやましくも思ってきた。多くの人に夢や希望を与えられるなんて、なんてすごいことだろう。そんなことができる人はほんの一握りで、自分はどうしたってそちらにはなれない。ステージから見える景色はどんなに美しいのだろう。大勢の前で歌うのはさぞかし気持ちがいいんだろうなと想像することしかできない。多くの人から愛される人生っていいなあと羨望の目を向けてきた。

しかし、多くの人から愛されるとともに、多くの人から好奇の目で見られる。心ない言葉を投げかけられたり、好き勝手なことを書かれたりするリスクも背負わなければならない。常に大勢の前に晒され、己が関知しないところで見ず知らずの人たちに話題にされている。したがって、アイドルは素晴らしい職業であるが過酷である。自分の幸せを犠牲にしないといけないときもあるだろう。普通の人が経験できないことを経験できる代わりに、普通の人が経験できることを経験できないことだってある。それでもアイドルをやっていこうと思うのはなぜなのか。そんな多くのリスクがあっても続けたいと思うほど魅力がある仕事なのか。やっている本人たちの口から聞きたいのだ。

決してすべてを語ってほしいわけではない。語りたくないことは語らなくていいし、どうしても語れないこともあるだろう。その人の人間性が少しでも感じられれば、それだけで満足である。

 

この曲を聴くたび、アイドルって大変な仕事だなあと思う。こういう歌詞を書いてくれるのが、つんくさんの素晴らしいところ。

普通、アイドル10年やってらんないでしょ!? - Berryz工房 - 歌詞 : 歌ネット

 


Berryz工房 『普通、アイドル10年やってらんないでしょ!?』 (Promotion edit) - YouTube

*1:Myojoの1万字など例外もあるが

*2:ジャニーズ内でのプライベートな関係には興味があるが