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ぶどう石

定点観測記録

お金にルーズな人は時間や約束にもルーズ

私は法律事務所に勤務しているのだが、仕事で気づいたことがある。

 

先日、電話で法律相談の依頼があった。内容は借金。依頼者はとにかく早く相談に乗ってほしいとのこと。その日は弁護士が事務所にいたので、その日のうちに相談の時間を取った。ところが、約束の時間になっても依頼者は一向に現れない。依頼者に電話をしてみても出ない。少し時間をおいてから再度かけると、留守電に切り替わっていた。結局その人は何の連絡もなしに現れなかった。

 

次の日、今度は別の人から闇金の相談の電話があった。この人もできるだけ早く相談に乗ってほしいとのことだったので、すぐに時間を取った。ところが、この人も約束の時間になっても来なかった。電話してみると、案の定留守電。結局、連絡がつかないままである。

 

相談をドタキャンされることはちょくちょくあるのだが、さすがに二日連続となると呆れる。

そこで気づいたのだが、相談の時刻に遅刻したり、ドタキャンしたりする人は、みんな借金関連の相談者だということである。

そちらが早くしてほしいと言っておきながら、約束をすっぽかすとは何事か。どうしても外せない急用ができたとか、体調が悪くなったというのなら、一報を入れてほしい。こちらは準備して待っているのだから。いつ来るかいつ来るかと身構えるので、仕事への集中力も落ちる。弁護士はもっとだろう。待っている間、本来ならもっと進むはずだった仕事が進まなかったということはあると思う。相談に来る人と同様、こちらも緊張しているのだ。こんなことでイライラするのは損だ。

 

借金をする人がみんな、お金にルーズだとは思わない。やむにやまれぬ事情で借りることはあるだろうし、借りないと生活が立ち行かないという人は少なくないだろう。格差が広がり、貧困が取りざたされる今の日本では、決して他人事ではない。明日は我が身である。

でも、中には安易な気持ちで借りてしまう人もいる。そして返済期限が過ぎて、どんどん利息や遅延損害金がつき、いつのまにか金額が膨れ上がり、返せなくなる。返せないから、ほかのところから借りて返済に充てる。その結果、あっちにもこっちにも借金することになり、どうしようもなくなってしまう。お金にルーズであること自体は、その人の性質の一つにすぎないが、ほかのことにおいても似たような傾向があるのだろう。その一例が、時間にルーズという形で現れるケースなのだと思われる。

まあ、時間にルーズというよりは、ドタキャンが多いことにこちらとしては辟易している。ドタキャンをする人の心理が私にはよくわからないのだが、相手に迷惑をかけるということはわかっているのだろうか。あなたの行為が、どれだけの人の時間や手間をとらせているのか考えないのか。何より、困っているのはあなたなのだから、相談しなくて大丈夫なの?と不思議に思う。結局困るのは自分だと思うのだが。誰にもメリットがない。おそらく、法律事務所に電話をするには相当勇気がいったことだろう。よく電話してくれたと思う。それなのに、なぜすっぽかす?自分の頑張りまで無駄にしている。このような人たちとはその後連絡が取れないので、彼らがどうなったのかを知ることはできない。なんとかなっていればいいのだが。

 

ルーズというのは、それだけで信頼を失うと思う。たとえ、ほかのことがとてもできたとしても、その一点だけでマイナスな印象を抱く。例えば、同じくらいの能力をもつ人が複数いたとしたら、約束や期限を疎かにする人より、きちんと守ってくれる人に仕事を任せたくなるのが普通ではないか。私も人に失望されることがないようにしようと身を引き締めた出来事であった。