ぶどう石

定点観測記録

心に沁み入るマンガ3選

10代の頃はむさぼるようにマンガを読んでいたが、20代になってからはなぜかあまり読まなくなった。たまにレンタルするくらいで、自分で買うということはほとんどなくなっていた。しかし、ここ1~2年、買って読みたいと思う作品に出会うようになった。いずれもWeb発の作品なのだが、紙の本で読むと、また違った味わいがある。私はWebマンガが好きで、無料で読めるなんて、なんとありがたいことかとは思っているのだが、やはり作者さんや作品に携わった方たちへお金を払いたいという気持ちがあるので、いい作品は単行本を買うことにしている。

その中でも特に気に入っている作品3つをご紹介する。3作に共通するのは、登場人物たちが自分の生き方を肯定していること。ちょっぴり切ない場面もあるのだが、自分のために一生懸命生きている姿に励まされる。私も頑張ろうという気持ちになるので読後感がいい。寝る前に読むとほっとする。

 

① プリンセスメゾン / 池辺 葵

 

プリンセスメゾン 2 (ビッグコミックス)

プリンセスメゾン 2 (ビッグコミックス)

 

 主人公である沼ちゃんは、25~26歳の居酒屋チェーン店の社員。自分の家を買おうと、こつこつ貯金している。初めは一人で物件探しをしていたが、親しくなった不動産屋の面々が協力するようになる。沼ちゃんの健気な姿は応援せずにはいられない。沼ちゃんのストーリーと並行して、さまざまな女性たちの話がほぼ1話完結で展開される。住まいや生き方について考えさせられるが、どんな生き方もやさしく肯定してくれるところがこの作品のいいところ。

まずは自分の人生をちゃんと自分で面倒みて、誰かと生きるのはそのあとです。 

沼ちゃんのこのセリフがとても好き。

 

② 2DK  /  竹内 佐千子

 

2DK 2015 AUTUMN (KCデラックス モーニング)

2DK 2015 AUTUMN (KCデラックス モーニング)

 

 

 若手俳優のおっかけをしている二人の女性がルームシェアをしている話。私もこんな暮らしをしてみたいと何度思ったことか!同じ趣味を持つ友達と一緒に暮らしたら、毎日楽しいだろうな。お隣さんがK-POPヲタだったり、仲良くなった不動産屋さんがハロヲタだったりと他ジャンルのオタクが出てくるのも楽しい。ジャンルは違えど、オタクという生き物は分かり合えるのだ。この作品のいいところは、彼女たちがオタクであることを卑下していないところ。オタクものは、たいてい自虐が入るが、彼女たちは自虐せず純粋に楽しんでいる。読んでいるこちらまで楽しくなるし、オタクでいいんだと思える。連載が終わってしまったのがとても悲しい。4/22に最終巻が発売されます!

こちとら金を払って夢を買ってるんでね。金を払ってまで現実を買う趣味はないって話ですよ

不動産屋さんのセリフ。深い…。

 

ちなみに「プリンセスメゾン」と「2DK」は、おかずクラブのオカリナさんも愛読されている。以前からオカリナさんとは気が合いそうだと薄々感じていたので、この事実を知ったときは「やっぱり…!」と確信した。

 

③ 腐女子のつづ井さん /  つづ井

 

【Amazon.co.jp限定】腐女子のつづ井さん 限定特典付

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 ネットで話題になった、腐女子の日常を綴ったコミックエッセイ。腐女子でなくとも、オタクなら共感できること間違いなし。つづ井さんはもちろん、その友人たちもキャラが濃く個性豊か。「腐女子と記憶」という話で、オタクになる前の記憶がないという話が出てくるのだが、あるある過ぎて首がもげそうになった。オタクになる前の私は、いったい何が楽しくて生きていたのだろう。オタク後の人生が楽しすぎて、それ以前の記憶が薄い。「腐女子と宇宙」という話では、推しキャラが生まれてきてくれたことに感謝を捧げたところ、彼のご両親から始まり、彼の体内で分泌されるホルモン、最終的には宇宙にまで感謝するつづ井さん。これ、ジャニヲタでもあるあるではなかろうか。三次元だから本気でご両親に感謝しているし、彼が生きているこの世界に感謝しながら私は生きていた。いや、今も感謝している。

 

話がそれますがちょっといいですか。前回、やや暗い記事を書いてしまったが、いろいろ吹っ切れて、今はジャニーズに感謝している。ジャニヲタでよかったと胸を張って言える。楽しいことばかりではなかったが、もう一度人生をやり直すとしても、私はやっぱりジャニヲタを選ぶだろうなと思う。もう追う元気はないけれど、好きな人たちには幸せになってほしいし、応援している。もらいすぎなくらい幸せをたくさんもらったので、これからは自分の力で幸せになろうと思っている。