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ぶどう石

定点観測記録

仏像とアイドルを愛する私が選ぶ、仏像界のアイドルたち

雑感 girls

突然だが、私はアイドルと同じくらい仏像を愛している。

以前から両者の類似性について、いつか考察したいと思っていた。仏像とアイドルを比較するなんて不謹慎だ、ミーハーだと思われるかもしれないが、やはり書いておきたい。

そもそも、アイドル=idolのもともとの意味は偶像である。偶像とは神や仏をかたどった像のことであり、偶像の代表が仏像である。

人々から愛され、親しまれ、崇め奉られる。これは両者に通ずるところである。仏像は人々の心を救い、アイドルは人々に夢や希望を与える。人間はいつの時代もアイドルを求めてきたのだ。

考察したいと言っておきながら、深い考察ができるほど美術や仏像に関する素養がないので、今回はアイドル好きの観点から選んだ仏像界におけるアイドルたちを紹介していきたい。

 

①孤高のトップアイドル「阿修羅」

仏像界のトップアイドルといえば、言わずもがな「阿修羅像」である。憂いを帯びた表情の美少年として圧倒的な人気を誇り、展覧会を開けば凄まじい動員数を記録し、公式ファンクラブまで存在する。まさに国民的アイドルだ。三つの顔を持つことからミステリアスな魅力が加わり、老若男女を虜にし続けている。

www.kohfukuji.com

もっと知りたい興福寺の仏たち (アート・ビギナーズ・コレクション)

 

興福寺の阿修羅像は奈良時代に作られたものだが、現代においても美少年と評されるそのルックスは、まさしく永遠のアイドルといったところか。普遍的な美形をつくった作者の力量に感服する。阿修羅のアイドルっぷりは「聖☆おにいさん」第27話でも描かれている。

ちなみに 阿修羅が属する八部衆の中では、私は鳥の頭を持つ「迦楼羅(かるら)」がお気に入りである。

 

②粒ぞろいのメンバーが揃うアイドルグループ「十二神将

阿修羅がトップであることに異論はない。誰もが認めるスターだ。しかし、私がもっともアイドル性を感じるのは「十二神将」である。

十二神将は阿修羅に比べれば知名度が低い。

十二神将(じゅうにしんしょう)は、仏教の信仰・造像の対象である天部の神々で、また護法善神である。十二夜叉大将十二神明王(じゅうにやしゃたいしょう/しんみょうおう)ともいい、薬師如来および薬師経を信仰する者を守護するとされる十二体の武神である。 

薬師如来の十二の大願に応じて、それぞれが昼夜の十二の時、十二の月、または十二の方角を守るという。そのため十二支が配当される。また、十二神将にはそれぞれ本地(化身前の本来の姿)の如来・菩薩・明王がある。 

各神将がそれぞれ7千、総計8万4千の眷属夜叉を率い、それは人間の持つ煩悩の数に対応しているという。(Wikipedia)

十二神将 (魅惑の仏像 9)

 十二体の姿はこちらからどうぞ

■新薬師寺 公式ホームページ■新薬師寺の建物

 

十二体が並んだ姿は壮観である。一体一体、顔も格好も違うので、お気に入りを見つけるのが楽しい。自分の干支を司っている神将には親しみがわく。本来は極彩色だったそうで、当時は鮮やかでもっと迫力があったのだろう。この、十二体でひとつというところがグループや戦隊っぽい。個性豊かな面々が揃っているが、エースが存在する。「伐折羅」だ。髪を逆立てた猛々しい姿。エースにふさわしい風格である。伐折羅はつい最近まで、500円切手のデザインに採用されていた。私はこれをとても気に入っていたので、デザインの変更が残念でならない。十二神将といえば真っ先に挙げられるのが伐折羅であり、新薬師寺でも別格の扱いを受けている。エースが存在するところまでアイドルっぽい。

 

③最強シンメを擁する精鋭ユニット「薬師三尊」

好きな仏像は?と聞かれると、私は奈良の薬師寺の薬師三尊だと答える。薬師如来ではない。三体合わせた薬師三尊が好きなのだ。もちろん、薬師如来単体でも十分魅力的だが、薬師如来の両サイドにスタンバイしている日光菩薩月光菩薩がいい味を出している。

仏像ワンダーランド奈良 (JTBのMOOK)

金堂の仏様 薬師三尊像、薬師如来台座【国宝】-薬師寺公式サイト|Guide-Yakushiji Temple

日光菩薩月光菩薩は、身につけているものがやや異なるものの、ほぼ完璧な左右対称の姿をしている。人は古来よりシンメに惹かれていたのだと興味深い。腰のくびれが絶妙な曲線美を描き、妖艶さが漂う。絶対的センター薬師如来をサポートしつつ、自らの存在感もしっかりと示す。黒光りする3体はこの世のものとは思えないほど神々しい。3体の前に立ったとき、私は放たれるオーラに圧倒され、心が震えた。いろいろな仏像を見てきたが、これほど感動した仏像は今のところほかにはない。

 

 

最後に、仏像界のアイドルではなく、仏像を愛する現代のアイドルを紹介しておこう。

アンジュルムの和田彩花さんである。

彼女は美術に造詣が深く、並々ならぬ仏像への愛情をお持ちである。仏像を意識してパフォーマンスをしているほどである。アイドルが仏像を手本にする。なんと尊いことか。メンバーやファンからは若干呆れられているようだが、仏像愛好家の同志としては、彼女の口からもっと仏像愛が語られることを期待している。