ぶどう石

定点観測記録

充電期間のおかげで勉強にやる気が出た件

私は充電期間に感謝しなくてはならない。

KAT-TUNの充電期間のおかげで、今とてもやる気に満ち溢れているのだ。ちょっと意識が高い人みたいになっている。

 

私は、ある資格を取得していようとしているのだが、その勉強が思うように進まず、特に先月はかなりモチベーションが低下していた。これではいけないと焦りつつも、自主的に始めたことなので、別にやらなくても誰にも文句は言われないし、自分が困るだけだからまあいいかと自分に甘くなっていた。

 

ところが、そのような状態が5月に入って激変した。

 

KAT-TUNが充電期間に入るのなら、私も充電期間中に人間として成長しようと心に決めたのだ。具体的には、2つの資格を取得すること。1つは年内に取得する予定だが、もう1つは難関なので、今年の合格は正直難しいため、来年の合格を目標にしている。また、進捗状況や結果を報告したい。ここに書くことで、さらに自分を追い込もうと思う。

これまでは孤独に勉強していたが、今はKAT-TUNと一緒に頑張っている気がして楽しい。充電の早期完了を願う声が多いなか、あまり大きな声では言えないが、あまりにも早く充電期間を終えられると、こっちの充電が終わっていない状態で彼らを迎えることになってしまうので、ある程度の時間はいただきたい。

 

今日はけっこう疲れていたのだけど、帰宅して勉強したら逆に元気になって驚いた。勉強がストレス解消になりうることを発見した。

すべてを整理して彼らを待つ

急に思い立って、整理整頓を始めた。放置していたデジカメの写真をプリントしたり、およそ10年分の、旅行や寺などでもらったパンフレットやチケットをスクラップしたりした。アイドル関係では、雑誌を解体したり、保存する切り抜きを厳選したり、少し残っていたグッズやCDを売りに行ったりした。売却や断捨離は今まで何度もやってきたし、いつも計画性などなく思いつきでやっていたのだが、今回は少し違う気がしていた。なぜこんなにも過去を清算しようとしているのか。彼らの影響があるのではないかと考えている。

KAT-TUNの充電期間前ラストライブの模様はテレビで拝見した。やっぱり抜群にかっこいい。本当のところ、少し行きたかった。以前、コンサートにはもう行きたくないと書いていたので矛盾するが、私の青春のすべてといっていいKAT-TUNの10周年ライブなので特別。迷ったが、行って感じるであろうさまざまな感情を一人で抱えられる自信がなく、現在その気持ちを話せる相手や共有できる相手がいないので断念した。

話は変わるが、KAT-TUNのライブに行った後は必ずもぬけの殻になってしまうので、翌日の私は使い物にならない。みんなどうやって切り替えているの??一晩で日常に戻れる?活発にライブに行っていたのが学生時代なので、多少様子がおかしくても乗り切れたが、社会人になってからはそうはいかない。思えば、社会人になってから行ったのはカウコンだけなので、翌日はまだ正月休みだからよかったのだ。KAT-TUNのライブ後は翌日も休みをとらないと私などはやっていけないと思うので、ライブ終了直後に生放送に出演する亀梨さんを心底尊敬する。

今回のライブでの3人のあいさつを読んだ。亀梨さんには重すぎるものを背負わせてしまったと申し訳なく思うと同時に、KAT-TUNという場所が彼の支えになっているのならよかったと思った。中丸さんはこういうときにいつも、率直な言葉を伝えてくれる。彼ら自身の不安もファンが抱くであろう不安も言葉にしてくれるので、私たちは不安を昇華でき、安心できる。そして、上田さんはいつもほしい言葉をくれる。私たちは共に戦うし、笑顔でいないとね。ただ、

船が進んでいる最中で、メンバーが、降りてしまったこともあります。そしてそれに続いて、ファンの方も降りていってしまったんじゃないかなっていうふうに、僕は思っています。

という言葉には「ごめんなさい」と謝った。ずっとKAT-TUNを一番に据えて応援し続けることはできなかった。私が思うKAT-TUN像から逸れつつあった時期があり、冷めていたことがあるのは事実。だけど、語弊があるかもしれないが、彼らはかっこよさを取り戻してくれた。いつだって、かっこいい。それがKAT-TUN。こんな中途半端なファンでも許してもらえるなら、パワーアップした彼らを首を長くして待とうと思う。いや、これ以上かっこよくなられたら、耐えられるか心配だけども!

私が整理に着手したのは、彼らと歩んだ日々を見つめ直したかったからではないか。新たなステージへ進むための準備として、その当時に感じたことや体験したことを整理したかったのだろう。いろいろあった10年をいろいろあったなあとそのままにしておくのではなく、いつでも振り返れる形にしておこうと思った。こんなに濃密な10年はもう二度とないかもしれないから。

 

今日は10Ksを聴きながら写真の整理をし、そのあと過去のPVや歌番組を見た。私は「RUN FOR YOU」のPVが一番好きなのだけど、メンバーがそれぞれ個室に閉じ込められて監視されているのがたまらない。これ考えた人天才では?その部屋ひとつひとつにコンセプトがあるのもいい。そして、けっこう踊る。いいPVだ。

 

KAT-TUNが充電している間に、こっちも負けないように力を蓄えておかなきゃな。いろいろ吹っ切れてすっきりしたので、私も頑張ろう。彼らのファンとして恥じないように。

 

以前、KAT-TUNステマ記事を書いたので貼っておきます。

 

moon-drop.hatenadiary.com

 

君の未来に幸多からんことを

誕生日エントリーというものをあまり書いたことがないので、書き方がよくわからないのだけど、今年だけはどうしても書きたくて。

 

元太くん、17歳のお誕生日おめでとう!!

 

元太くんの誕生日だと思うだけで、今日一日ハッピーだった。いいお天気だったし、仕事もはかどって良い一日だった。世界が祝福している。

 

いやー、それにしてもまだ17歳?若いなあ~。って毎年言ってる。嵐と同い年だもんね。私がファンになったころは13歳だったので、大きくなったなあと思う。我ながらとんだショタコンだと思うのだが、男の子は13歳から17歳の間がもっとも儚くて美しいと思っているので、その期間を見られたことがありがたい。

見るたびに成長しているので飽きなかった。ダンスがうまくなっている、シャカリキだけじゃなくて曲の雰囲気に合わせられるようになった、魅せ方がうまくなった、色気が出てきた、と成長を実感するのがうれしくて。ちゃんと聴いたことがないけど、歌もけっこううまいらしいし*1人が成長していく姿をこんなにちゃんと見届けたのは初めてだった。

 

私は元太くんのご家族も大好きで、もはや松田家担みたいなところがある。絵に描いたような幸せ仲良し一家なんですよ。家族のエピソードがどれも微笑ましくて大好き。愛されて育っていることがよくわかる。産み育ててくださったご両親はじめ、ご家族の方になんと感謝申し上げればよいのか。ありがとうございます。

そして、ありきたりだけど、生まれてきてくれてありがとう。

 

最後の担当が元太くんでよかった。100万回くらい言っているけど、誰が何と言おうと自慢の自担です。

これからもたくさんの人に幸せを届けてあげて。

そして何より、元太くん自身が幸せになって。

 

夏の現場が決まったみたいだね。

久しぶりに松倉くんと一緒でよかったね。うれしい!

ユニット推しの情勢の中、悔しいこともあるだろうけど、与えられた場所で精一杯頑張っていれば、きっと誰かが見ていてくれるから。

言われなくても頑張っているよね。おせっかいおばさんでごめんね。

滝沢歌舞伎、最後まで頑張って 。遠くから応援しています。

*1:ああ、ソロを聴けなかったことが唯一の心残り

心に沁み入るマンガ3選

10代の頃はむさぼるようにマンガを読んでいたが、20代になってからはなぜかあまり読まなくなった。たまにレンタルするくらいで、自分で買うということはほとんどなくなっていた。しかし、ここ1~2年、買って読みたいと思う作品に出会うようになった。いずれもWeb発の作品なのだが、紙の本で読むと、また違った味わいがある。私はWebマンガが好きで、無料で読めるなんて、なんとありがたいことかとは思っているのだが、やはり作者さんや作品に携わった方たちへお金を払いたいという気持ちがあるので、いい作品は単行本を買うことにしている。

その中でも特に気に入っている作品3つをご紹介する。3作に共通するのは、登場人物たちが自分の生き方を肯定していること。ちょっぴり切ない場面もあるのだが、自分のために一生懸命生きている姿に励まされる。私も頑張ろうという気持ちになるので読後感がいい。寝る前に読むとほっとする。

 

① プリンセスメゾン / 池辺 葵

 

プリンセスメゾン 2 (ビッグコミックス)

プリンセスメゾン 2 (ビッグコミックス)

 

 主人公である沼ちゃんは、25~26歳の居酒屋チェーン店の社員。自分の家を買おうと、こつこつ貯金している。初めは一人で物件探しをしていたが、親しくなった不動産屋の面々が協力するようになる。沼ちゃんの健気な姿は応援せずにはいられない。沼ちゃんのストーリーと並行して、さまざまな女性たちの話がほぼ1話完結で展開される。住まいや生き方について考えさせられるが、どんな生き方もやさしく肯定してくれるところがこの作品のいいところ。

まずは自分の人生をちゃんと自分で面倒みて、誰かと生きるのはそのあとです。 

沼ちゃんのこのセリフがとても好き。

 

② 2DK  /  竹内 佐千子

 

2DK 2015 AUTUMN (KCデラックス モーニング)

2DK 2015 AUTUMN (KCデラックス モーニング)

 

 

 若手俳優のおっかけをしている二人の女性がルームシェアをしている話。私もこんな暮らしをしてみたいと何度思ったことか!同じ趣味を持つ友達と一緒に暮らしたら、毎日楽しいだろうな。お隣さんがK-POPヲタだったり、仲良くなった不動産屋さんがハロヲタだったりと他ジャンルのオタクが出てくるのも楽しい。ジャンルは違えど、オタクという生き物は分かり合えるのだ。この作品のいいところは、彼女たちがオタクであることを卑下していないところ。オタクものは、たいてい自虐が入るが、彼女たちは自虐せず純粋に楽しんでいる。読んでいるこちらまで楽しくなるし、オタクでいいんだと思える。連載が終わってしまったのがとても悲しい。4/22に最終巻が発売されます!

こちとら金を払って夢を買ってるんでね。金を払ってまで現実を買う趣味はないって話ですよ

不動産屋さんのセリフ。深い…。

 

ちなみに「プリンセスメゾン」と「2DK」は、おかずクラブのオカリナさんも愛読されている。以前からオカリナさんとは気が合いそうだと薄々感じていたので、この事実を知ったときは「やっぱり…!」と確信した。

 

③ 腐女子のつづ井さん /  つづ井

 

【Amazon.co.jp限定】腐女子のつづ井さん 限定特典付

【Amazon.co.jp限定】腐女子のつづ井さん 限定特典付

 

 ネットで話題になった、腐女子の日常を綴ったコミックエッセイ。腐女子でなくとも、オタクなら共感できること間違いなし。つづ井さんはもちろん、その友人たちもキャラが濃く個性豊か。「腐女子と記憶」という話で、オタクになる前の記憶がないという話が出てくるのだが、あるある過ぎて首がもげそうになった。オタクになる前の私は、いったい何が楽しくて生きていたのだろう。オタク後の人生が楽しすぎて、それ以前の記憶が薄い。「腐女子と宇宙」という話では、推しキャラが生まれてきてくれたことに感謝を捧げたところ、彼のご両親から始まり、彼の体内で分泌されるホルモン、最終的には宇宙にまで感謝するつづ井さん。これ、ジャニヲタでもあるあるではなかろうか。三次元だから本気でご両親に感謝しているし、彼が生きているこの世界に感謝しながら私は生きていた。いや、今も感謝している。

 

話がそれますがちょっといいですか。前回、やや暗い記事を書いてしまったが、いろいろ吹っ切れて、今はジャニーズに感謝している。ジャニヲタでよかったと胸を張って言える。楽しいことばかりではなかったが、もう一度人生をやり直すとしても、私はやっぱりジャニヲタを選ぶだろうなと思う。もう追う元気はないけれど、好きな人たちには幸せになってほしいし、応援している。もらいすぎなくらい幸せをたくさんもらったので、これからは自分の力で幸せになろうと思っている。

茶の間ですらなくなってきた

タイトルどおりなのだが、本格的にジャニーズに興味がなくなってきて動揺している。

考えられる原因はいくつかあるのだけれど、いろいろなことが自分の中で3月で一区切りついた気分になっている。今までも浮き沈みはあったが、それでも興味をなくすということはなかったので正直驚いている。こんな自分に少しショックを受けてもいる。

年明けの頃は、また機会があればコンサートに行きたいなと思っていたのだが、今はまったくそんな気がない。もう充分である。タレントさんたちのことは好きなのだが、追うのが面倒になってきた。テレビを観ることが減り、雑誌をチェックしなくなり、ラジオを聴かなくなった。アイドルとは直接関係ないが、なぜかネットを使う頻度も減ってきた。いろいろな情報を摂取できて便利だが、なんか別にどうでもいいなと思うようになった。

予約していたDVDを発売直前にキャンセルしてしまった。そこまで欲しくなくなったのだ。このままだと、パッケージを買うこともなくなりそうな勢いである。

少クラの毎週録画を解除した。自担が唯一出演する番組なのに、観る気が失せた。この頃は少ししか出演しないので、出ているところだけを観ていたのだが、出ているところを探す作業が面倒になってきた。探した結果、出番があればいいものの、一切出演していないこともあり、この作業は何だったのかと徒労に終わることがしばしばあった。無駄な時間を費やし、がっかりするくらいなら、いっそ観なければいいやと思った。

一方では供給過多についていけなくなり、もう一方では供給が少なすぎて*1心が離れてしまった。以前なら厭わなかったことが、今はできない。応援していた人たちを取り巻く環境が変わったことに加え、自分も変わってしまったのだと思う。

長年好きだったものなので寂しい気はするが、今の自分には合わなくなった。仕方がない。なんだかんだいって、KAT-TUN担時代が一番楽しかったなあと10ksを聴きながら思った。あの頃に出会った人たちは、今はどうしているんだろう。みんな元気だといいな。

 

ブログのスタンスを変えないといけないかな…

*1:テレビに出るだけ恵まれているけど

伝統芸能を継承する人々―文楽研修イベントに参加してきた―

観ていたニュースで、アナウンサーが「入口」というワードを発したので、思わず「出口田口…」と口走ってしまい、一人で勝手にへこんだ4月1日の朝であった。田口くんやKAT-TUNについて思うところはたくさんあるのだが、どうにもうまくまとめられそうにないので、これくらいにしておく。書き始めたら、長ったらしいポエムになりそうなので。

 

さて、今回の記事はまったく関係のない内容です。

 

頼むから、一度観てくれ…!

私が初めて文楽を鑑賞したときに感じたことである。

文楽とは何ぞや、という方も多いと思うので、簡単に説明をすると

人形浄瑠璃文楽は、義太夫の語りと三味線、人形遣いの三業が心をあわせて一つの舞台を作り上げる総合芸術です。江戸時代初期に大坂で生まれ、いつの時代も変わらぬ人間の情を描いてきました。(「文楽研修のご案内」より抜粋)

文楽人形浄瑠璃と考えてもらっていい。

私が文楽に興味を持ったのは、橋下元大阪市長の問題で文楽がクローズアップされたときである。失礼ながら、それまでは名前こそ聞いたことがあったものの、詳しいことはまったく知らなかった。たまたま、その当時に勤めていた職場の方が文楽好きで、いろいろ教えてくださったので、いつか観に行ってみたいと思った。しかし、結局観に行かないまま2年が過ぎてしまった。ところが、別の形で文楽と再会することになる。三浦しをんさんの小説「仏果を得ず」を読んで、「おもしろそう!これは観ないと!」と衝撃を受けたのである。また、私がもっとも愛する作家である津村記久子さんも鑑賞されているそうで、好きな人たちが好きなのだからおもしろいに違いないと確信し、昨年ついに文楽デビューを果たした。

 

おもしろかった。今まで知らなかったことを悔やむくらいに。そして、もっと勉強したいと思った。文楽はほかの古典芸能とも結びつきがあるので*1、落語や狂言、歌舞伎についても知りたくなった。今年の目標の一つに、「古典芸能について学ぶ」というものを掲げている。わが国で長く受け継がれるエンターテインメントを知らずにいるのはもったいない。

文楽そのものについては後日改めて書くとして、今回は、先日参加してきた「文楽研修イベント」のレポを忘れないうちに書こうと思う。文楽には技芸員を養成する研修事業が存在し、主に文楽関係の家系出身でない人たちが2年の研修を受けて技芸員になる。現在活躍する技芸員の半数以上が研修修了者だそうだ。このイベントの趣旨は、研修について紹介し、研修生を募ることである。 

 

①研修の様子を映像で観る

 まず、研修で座学の講義を担当している大学の先生の解説付きで、研修の映像を観た。研修生の応募資格は、中学卒業以上で原則として23歳以下の男子。しかし、来場者は私も含め、資格を満たさないであろう人ばかりであった。大学の先生が、「近所のお兄ちゃんに声をかけてみてください!」と言ったのには笑った。残念ながら、私にはそんなに若い男の子の知り合いはいないので、せめてもと、ブログを書いて宣伝する次第である。

 研修生になったら、全員が太夫、三味線、人形の基本を学ぶ。その後、専攻を決め、専門分野に分かれていく。研修科目には、三業の基礎のほかに、教養、作法、日本舞踊などがある。芸に必要と思われるあらゆることをたたきこまれる点が、宝塚音楽学校と似ていると思った。映像を観た限りでは、講師はさほど厳しそうではなかったが、実際のところはわからない。研修生の中には途中でやめていく人もいるようだ。当たり前なのだろうが、ずっと着物で研修を受けている姿に新鮮に感動した。リハ風景や舞台裏大好き人間としては、ぐっとくる貴重な映像だった。

 

②太夫、三味線、人形の三業によるトークショー

 次に、現在活躍されている研修修了者の太夫、三味線、人形のお三方によるトークショーが始まった。驚いたのは、お三方とも話が大変お上手だったことである。ユーモアを交えた巧みな話術は、噺家さんかと思うほど。芸一筋に生きる人たちなので、真面目で口下手なイメージがあったのだが、鑑賞教室などで講師をされることもあるため、人前で話すことに慣れておられるようだ。話し上手なのは、全員が太夫の勉強をされていることも関係しているのかもしれないと思った。

 研修生になったきっかけ、研修での思い出を話されたのだが、興味深かったのは、何といっても前者である。文楽にゆかりのない人が、なぜ文楽の道へ進んだのか。ずっと知りたかった。そのいきさつは十人十色。今回出演されていた太夫さんは大学の三曲研究部*2に入って文楽の存在を知って、三味線さんは高校生の時にNHKの番組で聞いた文楽の太棹三味線*3の音色に惹かれて、人形さんはサラリーマンをやめたいと思っていたときに、ラジオで研修生を募集していることを知って。何気ないことがきっかけで、その後の人生が決まるのだ。おもしろい話だったので、もう一度聞きたいほど。

 

③研修生の紹介

 今まさに研修中である研修生3名が紹介された。最初に研修映像を観たときから、彼らは今日は出てくれないのだろうかと気になっていたので、とてもうれしかった。一人ひとり、名前と出身地と専攻を紹介してくれた。年若い彼ら*4がどういったいきさつで文楽に興味を持ち、研修生になるにいたったのかが気になる。まだ初々しくて、かわいらしかった。デビュー前の研修生やJr.に弱いタイプの人間なので、「頑張れー」とエールを送りたくなった。研修を終えても、プロとしての修業が待ち受けているので、すぐに舞台デビューできるわけではないが、彼らが初舞台を踏む日を心待ちにしている。できれば観に行きたい。

 

④三業による実演

  太夫の実演では、参加者も一緒に本読みをした。イントネーションが独特なので楽しかった。文楽は大阪発祥の文化なので、基本的に関西なまりである。今回の大夫さんは東京出身であるため、関西なまりの習得に苦労されたそうだ。本読みの題材の中に「これ」という言葉が2回出てきたのだが、一つは「コレ」と呼びかける言葉で、もう一つは指示語の「これ」であり、同音異義語でイントネーションが変わることを学んだ。また、登場人物のキャラクターによって、抑揚の強弱や声色が異なり、一人で何役も演じ分ける大変さを感じた。

 三味線の実演では、腕固めとメリヤスという三味線の手を教わった。腕固めはトレーニングの一つで、長いときは数十分延々と続ける。数十分も手首を動かし続ける、非常につらいトレーニングだ。若手で有望な後輩技芸員が実演してくださったのだが、三味線さんの後輩くんのいじり方が絶妙だった。師匠と弟子、先輩と後輩、兄弟子と弟弟子など、演者の関係性を知るのもおもしろそうである。また、メリヤスとは短い手を繰り返し演奏するもの。名前の由来は、曲が劇に合わせてメリヤスのように伸び縮みすることから来ているそうだ。メリヤスは6人で演奏されるのが通常であるため、三味線さんと後輩くん二人で演奏してくださった。息の合った演奏は迫力があった。明るい曲と暗い曲とでは弦の張り方が違うそうで、聴き比べると、確かに音色が変わったので驚いた。

 人形の実演では、研修生による実演を人形さんが指導するといったスタイルがとられた。本来は三人で一体の人形を操るが、見やすくするために主遣いと足遣い*5のみで実演された。研修では、足遣いから習うそうで、研修生は足遣いを担当。少しの動きの違いで、自然に見えたり不自然に見えたりするので、細かい技術が必要だと思った。しかも、それを3人で合わせないといけないので難しい。最後に来場者2名が体験されたのだが、当たり前ではあるが、素人とプロの差は歴然であった。私がやっても、不自然な動きになるにちがいない。

 

まとめ

 とても楽しいイベントだったので、DVD化してほしいくらいである。しかも、書き忘れていたが、参加費は無料である。無料でこんなに楽しませてもらって申し訳ない。また書くが、文楽はお財布にやさしい芸能である。もっと取ってくれてもいいよと思う。

 耳寄りな情報がいっぱいでメモが追いつかなかった。周りにメモを取っている人がほとんどいなかったので、メモするのがはずかしく、控えめにしていたこともあり、満足にメモできていない。遠慮せずにメモしまくればよかった。

 今回の来場者も、普段の公演の観客も、ほとんどが年配の方である。今のところ、私が見かけた若者は、ゼミで観に来たとおぼしき大学生のグループくらいである*6。学生時代に修学旅行や芸術鑑賞で観たことがある人はけっこういらっしゃるかもしれないが、きっかけがなければ、なかなか触れることがない。逆に言えば、きっかけさえあれば、ハマる人はけっこういると思う。なので、とりあえず一度でいいから観てほしい。百聞は一見に如かずである。敷居が高いと感じるかもしれないが、そんなことはない。手ぶらで一人でふらっと行ける。ぜひ、若い人にこそ観てほしい。新しい世界に触れられる。

 もし、お近くにやりたいことがない、好きなものがないと言っている若い男子がいましたら、こんな道もあるよと吹き込んでいただければ幸いです。

 

bunraku.or.jp

 

仏果を得ず (双葉文庫)

仏果を得ず (双葉文庫)

 

 

 

あやつられ文楽鑑賞 (双葉文庫)

あやつられ文楽鑑賞 (双葉文庫)

 

 

*1:同じ演目をやることがある

*2:和楽器のサークル

*3:三味線には細棹、中棹、太棹の三種類があり、太棹が最も重く太い

*4:おそらく全員10代

*5:あと、左遣いがある

*6:一部が上演中に飲食し始め、劇場のお姉さんに注意されていた。マナーくらい勉強してから来い。

アラサー同級生7人で集まった

昨日、中学の同級生7人で集まった。成人式ぶりに会う人もおり、みんなで集まるのはかなり久しぶり。ちょうどこの日が誕生日*1のメンバーがいたので、その祝福も兼ねた。27歳になった。メンバーのほとんどは高校も同じなのだが、高校を卒業しておよそ10年が経つなんて信じられないと口々に言った。いやー早い。KAT-TUN10周年だもんね。そりゃ、それくらい時間経っているわな。

 

最初に各自、近況報告をした。結婚しているのは一人だけで、あとは全員予定すらなし(笑)きっと世間の平均からすれば少ないのだろうが、まあいいだろう。

卒業後の人生は、みんなそれぞれ苦労していたことがわかった。現在進行形で苦労している人もおり、早く楽になれますようにと願わずにはいられなかった。かつての夢を叶えた人は一人もいない。夢だった職業に就いたものの挫折した人、採用試験を受け続けている人、まったくちがう仕事に就いた人、目指していた職業そのものではないが、関連のある仕事に就いた人(私はここに属する)。日経ウーマンや女性誌に登場するようなキラキラした生活を送っている人など、彼女たちだけではなく、私の知り合いには一人もいない。仕事もプライベートもバリバリこなして充実している人なんて、実在するの?と疑ってしまう。そもそも属するコミュニティが違うから出会わないのだろうが、社会全体から見ればごくわずかだろう。

話題は中学時代のことになった。…のだが、見事に内容が暗いものばかり(笑)みんな抑圧されていたのだ。過去の苦い思い出が次々と噴出した。今でいうスクールカーストの中位~下位に属する女子であった私たちには、中学時代にろくな思い出がない。教師への不満、怖かった先輩、謎のいやがらせ、カースト上位の人間から理不尽な目に合わされるなど、散々だった。その結果として、2年前に開かれた中学の同窓会へ出席したのは、メンバー内では一人のみ。主催者はもちろん、カースト上位層である。私はというと、その日はSexy Zoneのコンサートへ行っていた。会いたくない人が来る同窓会より、会いたい人がいるコンサートを優先した。おそらく、また開催されたとしても行かないであろう。

私は人生でつらい時期が2回あったのだが、そのうちの1回が中学1年生のときである。クラスで孤立してしまい、居場所がなくて息苦しかった。今回のメンバーをはじめ、仲のいい子が全員違うクラスで、自分のクラスに友達が一人もおらず、毎日苦痛で仕方がなかった。就寝するときだけが幸せで、明日なんて来なければいいのに、と思いながら眠りについた。いじめられこそしなかったが、それでなくてもこれほどつらかったのだから、いじめにあっている人のつらさは、いかばかりかと胸が痛む。こんなところで言うのもどうかとは思うが、今つらい目にあっている子に言いたいのは、「大人になってからのほうがずっと楽しいよ」ということである。つらいときは逃げるなり、適当に流すなりして、どうにか乗り切ってほしい。未来なんて見えないかもしれないが、生きていると必ずいいことがあるから。

集まりの話に戻そう。もちろん、暗い話題だけではなく、恋愛や結婚の話など女子会らしい話もした。特に、結婚したメンバーの話は大変参考になり、今後の自分の恋愛や婚活に生かそうと思った。あまり結婚に興味がなかったのだけど、少し結婚したくなった。

それぞれの趣味やハマっているものについても話した。私がジャニーズにけっこうつぎ込んでしまったと告白したら、「実は…」と手を挙げる者が二人おり、メンバーの中に上田ファンと錦戸ファン*2がいることが発覚した。まさかの元担の名前が出てきてびっくりした。錦戸ファンにいたっては、ときどきコンサートに行っているとか。まじかよ。上田ファンとは、KAT-TUNの活動休止さびしいね…と話した。また、バンド好きのメンバーが、好きなバンドの解散はつらいという話をし、どこも解散や脱退はつらいよね…と励ましあった。中学校に勤めているメンバーによると、今の中学生の間では、やはり三代目が流行っているらしい。元EXILEファンのメンバーは、ファン層ががらりと変わってしまったために離れてしまったそうだ。ライブでは岩ちゃんへの声援が桁違いに大きいらしい。かつての赤西や山田くんみたいなものかなと想像した。

スイッチが入ってしまった私は、元太くんについてプレゼンしてしまった。話し出すと止まらなくなる、ヲタクにありがちなタイプ。つい熱くなってしまう。今までいろんな人に元太くんを紹介してきたが*3、総じて好評である。一般受けがいいのでは。微妙な反応をされたことがない。「かわいい」とか「かっこよくなりそう」とかお褒めの言葉をいただく。松倉くんのことも紹介し、「松松」というワードを覚えてもらった。「デビューできるといいね」とまで言ってくれて、やさしい。プレゼンしたおかげで好きな気持ちが高まり、今とても元太くんのことが好きである。

帰りの電車で一緒だったメンバーが、「いい人と出会って、〇〇ちゃん(別のメンバー)には幸せになってほしい」とつぶやいた。ああ、私は人に恵まれていると思った。中学時代は散々だったけど、彼女たちと出会えたのはよかった。あの頃にも十分、意味があったのだと思えた。

 

※3/18 一部修正

*1:ケンティーと同じ

*2:「担当」というほど熱烈なファンではないため、「ファン」表記

*3:うざかったと思います。この場を借りてお詫び申し上げます。