ぶどう石

定点観測記録

映画「鋼の錬金術師」を観てきました

生まれて初めて公開初日に映画を観た。レイトショーっていいね。

 

大好きな鋼の錬金術師が実写化されるというので、普段あまり映画館に行かない私が映画館へ足を運んだ。実写化の話が報じられたときは不安半分楽しみ半分だったが、主演の山田様や監督のインタビューを拝読して、楽しみが勝るようになっていった。われらが山田涼介様なら見事に演じきってくれるに違いない。私は山田様をアイドルとしてとても尊敬しているので(だから「様」づけ)、そこは完全に信頼していた。というか、エドは山田様以外に考えられない。山田様がいてくれたから実写化できたわけで、山田様には本当に感謝している。

 

率直に言ってとてもおもしろかった。

観る前は自分の中で納得がいかないキャストが何人かいたのだが、いざ観てみると驚くほど違和感がなかった。役者さんすごい。特にホムンクルスの完成度の高さよ。本郷奏多くんのエンヴィーにはキャスト発表時から期待しかなかったけれど、松雪泰子さんのラストが素晴らしくて、個人的にはもっとも再現度が高いキャラだった。ディーンさんの大佐もかっこよかったし、本田翼さんのウィンリイっぷりもよくて、全般的には満足したが、しいて言えば、エドとアルの子役はもうちょっとハーフっぽい顔立ちの子がよかったな。あと、街の人たちが日本人すぎたのがもったいない。

あまり内容には触れないようにするが、アルの声の演技が自然でうまかった。2.5次元出身の俳優さんと聞いて納得。そして、フルCGのアルのリアルさに驚く。質感が見事に表現されており、アルには表情がないはずなのに、感情が伝わってきて感動した。目の色(影?)や仕草によるのだろうけれど、工夫されている。また、実際にはアルはいないわけで、それでいてあんなに自然な演技ができる山田様もすごい。

 

タッカーがかなりフィーチャーされているのだが、タッカーが作ったキメラの正体に気づいたときのエドの表情には鳥肌が立った。うまい。ほかに、序盤で見せるエドの走り方がちょっと独特でエドそのもので、実によく研究して臨んでいるなと感じた。

原作に忠実な部分とアレンジが加えられた部分が絶妙に交わって、一つの映画としてうまく構成されていた。一瞬たりとも見飽きなかったし、錬成シーンや壁が崩れるシーンは迫力があった。鋼はさまざまな要素を含んだ複雑な物語なので、兄弟愛というテーマに絞って描かれたことで、初見の人にもわかりやすくなったのではないかと思う。まあ、世界観とかキャラクターの関係性とか初見ではわかりにくい部分もあるとは思うが。

 

漫画の実写化には賛否両論がつきものだが、私は実写化してくれてうれしかった。漫画やアニメよりも、人間が演じることで「痛み」がリアルに感じられた。何より、映画化のおかげで再び鋼が盛り上がってくれたことがうれしい。

特に何も楽しいことがなかった中学時代、たまたま観た鋼のアニメにどっぷりはまり、楽しみができて人生がいきいきとしはじめたことを忘れない。鋼がなかったら、今の私はないと断言できる。そういう意味では命の恩人といってもいいほど人生に大きな影響を与えた作品なので、一人でも多くの人に好きになってほしいなと願っている。いや、もう十分、超絶人気あるんだけどね。映画をきっかけに原作やアニメに興味を持つ人が増えたらうれしい。

私はアームストロング少将*1が一番好きなので、続編があるなら誰が演じるのだろうと、今から想像を膨らませている。映画を観る前に全巻読み返したのだが、鋼に登場する女性はみんな強いと気づいた。守ってもらおうとせず、自分で戦う。これは女性作者ならではだと思う。昔は気づかなかった。大人になってから読むと、また違った味わいがある作品である。私も強い女性になりたい。

*1:少佐のお姉さん

文通相手との30年

先日、母と東京へ旅行に行ってきた。まさかの台風直撃で天候に恵まれず、予定はだいぶ狂ったが、それでも行きたかったところへは行けたので充実した旅であった。

 

旅の目的は母の30年来の友人と会うことであった。当初は母とお友達は、はとバスで観光する予定で、その間は別行動する予定だったのだが、この天気で観光は無理だろうということになり、私も同席して3人でご飯を食べることになった。私も東京にいる友人に会うつもりだったのだが、彼女の里帰り出産と重なってしまい、どっちにしろ一人で散策しなければならなかったのでちょうどよかった。

 

母のお友達は東京生まれ東京育ち東京在住の根っからの東京の人。母は京都生まれ京都育ち京都在住の根っからの京都の人。まったく接点のない二人はどうやって出会ったのか。

 

それは文通である。

どちらかが雑誌の文通相手の募集欄に投稿し、もう一方がそれを見て手紙を送ったのが始まりらしい。初めの頃は毎週文通していたというのだから驚きである。メールやSNSのない時代ならではの交流の仕方だ。しかも毎回けっこうな分量を書いていたらしく、手紙を書く習慣がほとんどない私は少し羨ましく思った。そんなに誰かに伝えたいことがあって、それを受け取ってくれる相手がいるって素敵なことだと思う。

過去にも何度か会って、旅行に行ったこともあるらしい。いくら文面で気が合うと感じても、実際に一緒に旅行するのはなかなかハードルが高い。やすやすとハードルを越えた二人はすごい。よっぽど相性がよかったのだろう。

時が流れ、手紙のやり取りこそしなくなったが、年賀状のやり取りは続いた。実に30年以上。同級生でも学生時代の友人でも仕事仲間でもない人と30年以上も付き合いが続くなんてことがあるのか。SNSで知り合った人とすぐに縁が切れる私からすると、考えられない長さの付き合いである。手紙だからこそできたのかもしれない。

母の独身時代からのお友達と対面するのは不思議な感じがした。なんだが照れくさかった。私の知らない母を知っている人なのだ。とても感じがいい人で、母はこういう人と気が合うのかと初めて知り、誇らしく感じた。母が席を外した際に、やりとりしていた手紙の内容をこっそり教えてもらった。夜中に机に向かって手紙をしたためる当時の母の姿が目に浮かぶようだった。お友達と秘密を共有したみたいで楽しかった。友人の成人した娘と話すなんていうシチュエーションはそうそうない気がする。不思議で楽しいひとときだった。

 

実際に会う回数や頻度は少なくても、こんなにも途切れない関係を築けるのだと私はひそかに感動していた。翌日、銀座の伊東屋に行って色とりどりの便箋を眺めながら、私も誰かに気持ちを込めた手紙を書きたいと思った。

今のところ、ファンレターくらいしか思いつかないけれども。

聴ける音楽が減っていっている

過去に書いた記事を多くの方にお読みいただいているようでうれしいです。ありがとうございます。

 

さて、いきなりだが、タイトルが目下の悩みである。

前回「ハロプロ新体制」について書いたが、あのあと結局私はハロプロから離れてしまった。自分が好きだったハロプロではなくなり、一気に熱が冷め、追うことをやめた。ちょうど1年前はジャニーズから離れた*1。もはや生活の一部どころか大部分を占めていたジャニーズから離れる日が来るとは想像もしなかったが、あっさり離れてしまった。よって、最近のジャニーズ事情はほとんどわからない。「コード・ブルー」と「孤食ロボット」の有岡くんの落差に打ち震えているくらいである。有岡くんは今も好き。私も孤食ロボットがほしい。

長年、アイドルの曲ばかり聴いて生きてきた。たまにバンドにハマったり、アーティストを発掘したりはしてきたが、継続して聴いてきたのはアイドルだけである。私のiTunesの8割*2はアイドルの楽曲が占めている。ところが、ハロプロとジャニーズに冷めてから、彼らの曲が聴きづらくなってしまった。現存するハロのグループの曲には食指が動かず、Berryz工房℃-uteの曲を繰り返し聴いている。ジャニーズに関しては、何のわだかまりもなく聴けるのはKinKiくらいで、あとのグループはそれぞれ何かしら思うところがあって聴く気が起きない。

こんな状況なので、懐古でもするか、とふと思い立った。かつて好きだった女性アイドルグループ(ハロではない)の曲を久しぶりに聴いてみようと思った。彼女たちが今はどんな感じになっているのか軽い気持ちでググってみたら、なんとメンバーが一人脱退して、しかもその子によからぬ噂が立っており、目の前が真っ暗になった。知らずにいたほうがよかったかもしれない。なんてこった。したがって、彼女らの曲も聴けなくなった。

その結果、現在の私が聴ける楽曲はわずかとなってしまった。通勤の徒歩の時間に音楽は欠かせないものとなっているので、切実に困っている。いくら好きな曲であっても、何度も聴いていたら飽きてくる。ベリキューとアニソンでなんとかしのいでいるが、そろそろ限界である。誰か、いいアーティストを探すべきか。これを機にいろいろなジャンルの音楽を聴いてみるのもよさそうだが、なぜかあまり気が乗らない。

好きだった曲を聴けなくなるというのはとてもさびしい。楽曲自体は何も変化していないのだから。ただ、私の気持ちが変化しただけである。曲と歌い手を切り離して考えることができればいいのだが、それは難しい。どうしたって、曲は歌っている人の影響を受けてしまう。そもそも、歌っている人たちが好きだったから、その曲のことも好きだったわけで、切り離すことは不可能だ。

いつのまにか夏が終わり、秋の気配が漂い始めた。私は本当にアイドルに生かされていたんだなあと実感した。彼らの楽曲に何度も救われてきた。いつも元気をもらっていた。ありがとう。しばらくはこの喪失感を抱えながら歩くのも悪くない。さびしいけれど。秋にぴったりじゃないか。

*1:3年前にヲタをやめたあと、2年間は茶の間だった。

*2:数えて計算してみたら78.9%だった。

ハロプロ新体制

新体制のことが発表されたときから嫌な予感しかしなかったが、思っていた以上にダメージを受けている。どうせ、いい発表ではないのだから、何でもかかってこいやと腹をくくっていたつもりなのだが。

 

私は尾形春水ちゃん(モーニング娘。'17)推しなのだが、2推しカントリー・ガールズ森戸知沙希ちゃんである。ちぃちゃんが娘に入ってくれれば、私としてはお得になるはずなのだが、ちっともうれしくない。

ちぃちゃんだけ単独加入なのが心配だし、何より娘メンたちの態度がひどくて不安が募った。うわべでもいいから、もうちょっと明るいリアクションしろよ。どこが受け入れ態勢ばっちりなんだよ。全然居場所がなさそうじゃないか。正直娘メンにがっかりした。ちぃちゃんは芯が強そうだから何とかやっていけるとは思うが、過酷な道のりだろうな。カンガルで楽しそうにのびのびやっているちぃちゃんが好きだったから、こんな試練が待ち受けているなんて想像もしなかった。

そもそも新グループを作るなら、なぜカンガルを壊す必要があるのか。かわいいイメージでほかのグループと十分差別化が図れていたのに。たぶん、ハロが苦手な人にとっては最もとっつきやすいグループだと思うのだが。もっとうまく売り出せば、可能性は広がっただろうに。

 

 そして、Juice=Juiceの増員。J=Jはないだろうと思っていたので、しょっぱなに発表されて腰を抜かした。私はグループとしてはJ=Jが一番好きなので、できれば固定メンバーでいってほしかった。5人で支えあっている感じが好きだったし、バランスが良かった。最近、歌割が平等になってきてうれしかったところなのに。℃-uteの後継者だと思っていたので、5人のままでやっていくものと思い込んでいた。本人たちが一番戸惑っているだろうに、宮崎由加ちゃんの立ち居振る舞いには舌を巻いた。J=Jではゆかにゃ推しなのだが、ますます好きになった。さすがやで。ゆかにゃは信頼できる。段原ちゃんと梁川ちゃんが嫌なわけではなく、固定メンバーを貫くグループがあってもよかったのにと思うのだ。7人に次第に慣れていくとは思うけど、やはり別物になる。

 

アンジュルムが一番なごやかな印象を受けた。過去にいろいろなことを経験してきたグループだからか、和田彩花ちゃんを筆頭に懐が深い。船木ちゃんも川村ちゃんもすぐになじめそう。一岡ちゃんはまだしばらく宙ぶらりんということ?早く安心させてあげろよ。

 

℃-uteのラストコンサートがとても素晴らしく、改めてハロプロ最高!と盛り上がっていたところなのに、一気に突き落とされた感じだ。今回の発表で幸せになった人がいるのだろうかと疑問だが、あとで振り返ったときに、これでよかったんだと言える未来になることを願うしかない。でも、どう考えても、多くのメンバーやファンに大きなストレスを与えたことが得策とは思えない。もっと一人一人を大事に育ててあげてほしい。それでなくてもアイドルはストレスとプレッシャーが半端ない職業なのだから。ケアやサポートをすべき事務所が痛めつけてどうするんだ。

こういうときにファンは無力だと実感させられる。決まったことを受け入れるしかない。反対の声を上げたところで決定が覆ることはほぼない。本人たちのことは好きだが、事務所の方針に納得がいかずファンをやめたことがあるので、ハロはそうならないでほしい。好きなものを奪わないでほしい。

クレジットカードを不正利用されました

先日、クレジットカードの利用明細を確認したら、まったく身に覚えのない請求が含まれていることに気づいた。

1か月のうちに複数回にわたって、同じ請求元からそれぞれ約1万円ずつ請求されていた。なんじゃこりゃ。そのうち、一番最初の日付のもの以外は、同日に返金処理されている。つまり、支払いと返金が繰り返されており気味が悪い。結局、請求されているのは初回の額だけということになる。

 

すぐにカード会社に連絡したところ、調査するのでしばらく待ってほしいと言われた。数時間後に電話があり、「不正利用の疑いがあるので、後日、別の部署から連絡が入る」とのことだった。翌日さっそく連絡があり、「不正利用と判断したので、現在のカードの利用を止める。再発行の手続きに入る。」とのことだった。初回の請求額については、引き落とし日までに手続きが間に合えば引き落とされないが、間に合わない場合はいったん引き落とされ、2週間後に引き落とし口座に返金されるということだった。

私は公共料金をすべてカードで引き落としているので、カード番号変更の手続きをしないといけないのが面倒だなあと若干憂鬱になったものの、迅速に処理してもらえたので安心した。こんなに素早く対応してもらえるとは思っていなかったで、カード会社をちょっと見直した。

 

カード会社に問い合わせてから約1週間後に新しいカードが届いた。そして、引き落とし日までに手続きが間に合ったようで、不正利用の分は引き落とされずに済んだ。一件落着。

 

それにしても、いったいどこからカードの情報が漏れたのか。誰かに貸したことなどないし、暗証番号も誰も知らない。どこかでスキミングされたのだろうかとも考えたが、ショッピングサイトなどへの不正アクセスによって情報が盗まれた可能性が高い。つい数日前にぴあの個人情報流出が報じられたが、あれとは関係がない。クレジットカードだと、こういう目に遭う危険があるのだと再認識させられた。個人情報流出・漏洩のニュースはよく耳にするが、どこか他人事だった。自分の身に降りかかってはじめて、誰にでも起こりうるトラブルなのだと思った。企業もセキュリティ対策が大変だ。情報を盗む技術は日々進化していくし、いったん流出させてしまえば信頼をなくす。大変な世の中になった。マイナンバーなんて導入している場合か。

私の平匡さんはいずこ~28歳婚活体験記~③

さて、お見合い7人目となった。

向こうから申し込んでくださった方である。相手の担当者が私を紹介して、相手がお見合いしたいと申し込んだ場合、こちらに相手のプロフィールが送られてくる。それに対して私がオーケーすれば、お見合い成立となる。前回も書いたが、紹介してもらっても会えるとは限らない。それならば、確実に会ってくれる人を大事にしたほうが得策だと考えるようになった。

お見合い前日になんとかメンタルを持ち直し、楽に臨もうと決めた。期待しすぎず、気負わず。

 

やわらかい雰囲気をまとった人だった。一目で「この人はいいかもしれない」と直感した。プロフィールを拝見したときから、されている仕事が素晴らしいと思っていた。実際に会って詳しく伺ったところ、尊敬の念を抱いた。尊敬できることは、私が結婚相手に望む条件第1位なのだ。そして、話していて楽だった。また、「どんな家庭を築きたいか」という質問をされた。お見合いの場で将来の話をするのは初めてだった。私の答えに対して共感してくれ、価値観も合うと感じた。

別れ際、「よかったらまたお会いできませんか?」と言われた。そんなふうに言われたのは初めてだった。今までは、「本日はありがとうございました」と別れることしかなかったし、それが普通だと思い込んでいた。次につながる言葉が新鮮でうれしかった。「はい。よろしくお願いいたします。」と返事した。その晩、彼から電話がかかってきた。お見合いの後、それぞれの担当者に「再度会いたいか」報告することになっており、双方が会いたいと報告すれば交際成立となる。その後、お互いのフルネームと電話番号が開示される。これまで交際成立した2人はSMSでメッセージを送ってきたので、電話は新鮮だった。次の約束を取り付け、その日は終わった。初めての要素が多く、今までとは違うと心を躍らせた。

 

初めてのデートは食事に行った。やはり楽だった。向こうも「空気感が似ている」と言った。食事のあと、場所を変えてカフェでお茶をした。そこで彼が切り出した。

 

 

「結婚まで考えてもらえますか」

 

 

速え…!!

展開の速さに驚きつつも、特に不満はなかったので承諾した。これ、真剣交際ってやつだよね?普通は3回くらいデートを重ねてから始まるやつよね?

「よかった。じゃあ結婚を前提にお付き合いしましょう」

すごいな、この人。さくさく進めてくれる。気持ちをストレートに伝えてくれるところが安心するし好印象。こうして初回のデートにして、真剣交際へ突入したのであった。

 

それからしばらくは私の都合でなかなか会えなかったのだが、連絡はとっていた。メールの頻度も内容もちょうどよかった。実は、今回のお見合いから縁結びのお守りを持って行った。基本的に神頼みはしないタイプなのだが、あまりの即効性にびびる。すごいぞ平安神宮。7人目だったので、ラッキーセブンでもあった。

 

その後、現在に至るまでお付き合いは続いている。私がいろんなジャンルのオタクであることをカミングアウトしても、まったく引かず、受け入れてくれた。少しずつお互いのことを知っていければいいなと思う。無事に結婚までたどり着けるかどうかはまだわからないが、ぼちぼちやっていく所存である。

 

 

少し話が逸れるが聞いてほしい。

あまり一般的ではないのかもしれないが、私は名字にこだわりがあった。私は自分の名字が割と好きなので、言い方は悪いが、ありふれた名字や珍名過ぎる名字に変わることに抵抗がある。

選択的夫婦別姓が早く導入されてほしい。自分のアイデンティティがゆらぐ、キャリアに響くという理由ではなく、単に好きな名字を選びたいだけである。自分と相手の名字を比べて好きなほうを選べたらいいと思う。いっそトレードもありなんじゃないか。しかし、相手に自分の名字に合わせてほしいとまでは思わない。だから、別姓が認められていない現状では、夫の姓を名乗るつもりでいる。「私の名字にしてくれ」と主張することで、面倒な奴だと思われるのが面倒なので。ここで闘うような人が社会を変えていく人なのだろうけど、残念ながらそこまでのガッツは持ち合わせていない。別姓にするために事実婚を選ぶという方法もあるが、現在の日本においてはまだ法律婚の方がメリットがありそうなので選ばないだろう。なんだかんだ多数派に流れるところが、自分も日本人なのだと少々悲しい。でも、夫の姓にすることが当たり前とされている風潮はよくないと思っている。男性は自分の名字が変わるということを想定していないから、別姓の議論が進まないのだろうか。ちょっと考えてみてほしい。今日から名字が変わります、ってけっこう大きなことだと思うのだが。親が離婚したり再婚したりして名字が変わったことがある人なら、もっと別の視点があるかもしれない。

そんなふうに名字は重要な要素だったのだが、彼の名字は好みだった。この点でもクリアした。余談だが、友人と「かっこいい名字は何か」と議論したことがあり、「桐生」と「二階堂」がツートップということで話がまとまった。

 

何もせずとも出会いがあり、結婚できるならそれにこしたことはない。しかし、出会いがなければ出向くしかない。結婚相談所はお金がかかるので安易におすすめはできないが、一つの選択肢として考えてみる価値は十分ある。私は使ってよかったと思っている。もともと私は結婚願望が強い方ではなく、「いつかできたらいいな」くらいにしか考えていなかったのだが、一人暮らしが長くなり、一人の生活に飽きてきたので結婚を考え始めた。そして、いざ飛び込んでみると、不思議とその気になるもので、入会してから結婚したい気持ちが強くなった。何事も形から入ることは有効である。

いろいろな経験をし、いろいろなことを考えた濃い数か月間であった。 

ひとまず完結。

私の平匡さんはいずこ~28歳婚活体験記~②

さて、前回の続きです。

とうとうお見合いをすることに。

 

お見合い1回につき10,800円かかるので、気軽にはできない。どうしても慎重になってしまう。高い入会金や月会費を払っているのだから、これくらいタダにしてほしいものだ。いちいち、1万円を出して会う価値のある相手かどうか頭を悩ませなければならない。1万円あったらいろいろできるもんな。あと、お見合いの場に使われるホテルラウンジの飲み物の高いことよ。コーヒー1杯が1000円って…。庶民にはきつい。

 

 

初めてのお見合いの前は緊張した。就活みたいに問答集なんか作って予行演習に励んだ。毎朝、鏡の前で笑顔の練習もした。立ち居振る舞い、言葉遣い、身だしなみ、表情など気を付けなければならないポイントがいくつもある。初対面の人と話すこと自体は苦手ではないのだけれども、面接に挑む気持ちに近かったのでどぎまぎした。

 

1人目の人とはわりと話が弾み、初回にしては上出来だったのではないかと思う。けっこう盛りだくさんな内容を話した。いやな感じはしなかったし、向こうの返事もオーケーだったので、また会うことになった。

生き物と触れ合えるカフェへ行った。だが、お会計のときにまさかの事態に見舞われる。財布がないというのだ。びっくりしたが、とりあえずその場では私が支払った。彼はカバンやポケットの中を必死に探しているのだが見つからない。小銭入れはあったので、払える分を渡してくれた。なぜか500円玉がたくさんあり、普通に割り勘くらいになった。「カバンに入れ忘れたのかもしれない」などと言う。それくらい確認してから来いよ。私のテンションは一気に下がった。よほどショックだったのだろう、それから黙りこくってしまった。いや、気持ちはわかるけど何か言えよ。ディナーも予約してくれていたのだが、お金がないのだからどうしようもない。私が支払うのもなあ…。しびれを切らした私の方から「今日はもうお開きにしましょうか」と提案し、帰ることになった。その後、駅に財布が届けられていたことが判明。落としていたようだ。よかったね。持ってくるのを忘れたわけではないことが分かってよかったが、かわいそうだけど、いくらなんでも間が悪すぎる。何度か会って親しくなっていたならともかく、初回でこれはない。何より、財布がないとわかったあとの対応がまずかった。もうちょっと、なんとかできるだろ。そして、ほかにも引っかかる点がいくつかあり、「なんか違うな。早く帰りたい」と内心思っていたので、こちらからお断りした。

 

2人目の人は、私がイベントで申し込んだ人だった。趣味がオタクっぽかったので気が合うのではと思い、選んだ。読みは当たった。写真よりも実物の方が素敵で、話がめちゃくちゃ楽しかった。お見合いした人の中で一番、話していて楽しい人だった。趣味だけでなく、仕事が近い分野だったこともあり、仕事や資格の話もできた。いい人だったのでまた会いたかったのだが、なんと、以前お見合いした人と真剣交際に入ることになった、という理由で断られた。おいおい、相手がいたのかよ。じゃあ会ってくれなくてもよかったのに、とはあまり思わなかった。残念ではあったけど、こんなにいい人がいるのだということがわかっただけでもよかった。断られたが、相手も私に好印象を持ってくれていたようで、会う順序が違えば、結果が違っていたかもしれない、と仰っていたそう。不倫みたいだな(笑)お世辞でもうれしかった。いい人には相手がいるという法則を身をもって学んだ。

 

3人目の人は、いい人だったがあまり話が続かなかった。初めてのお見合いだったらしく、気の毒になるほどガチガチに緊張されていた。当たり障りのない会話をなんとか続けたといった感じだった。前回の人との会話がとても楽しかったので、相手によってこんなに違うものなんだなと思った。もう話すことがないと感じたので、お断りした。

この人のときに強く思ったことがある。断られるのもつらいが、断る方がつらい、と。私の判断で相手を傷つけることになるので心苦しい。断った後、罪悪感のようなものを感じた。数日もやもやした。

 

4人目の人は、遠方から新幹線でわざわざ来て下さった。この人はとにかく会話が途切れない人だった。どんな話題でも続けられる。一緒にいて楽だった。悪いところはなく、悩んだが、遠方であることがどうしても引っかかってしまい、お断りした。私は一人っ子なので、両親が暮らす実家からあまり離れたくないと思っている。何かあったときに駆けつけられる距離にいたい。それに、知り合いが一人もいない土地に行くことに抵抗があった。また、私がそちらに行くことになれば、当然仕事も辞めざるを得なくなる*1。なんとかなるのかもしれないが、そこまで頑張ろうとは思えなかった自分勝手である。わざわざ来てもらったのに申し訳ないことをした。

 

5人目の人は、同い年だった。男性でこの年齢で活動している人はまだ少ない。親に言われて登録したそうだ。この人ははっきり言って、1万円を払う価値はなかった。何回目のお見合いか聞いてきたり、「休日は何をして過ごしていますか?」というこちらの質問に「寝ている」と返してきたり、とにかくだめだった。出会った中で最も若いのに、最も若々しさがなかった。1時間半話せることになっているのだが、耐えられず、1時間で切り上げた。1万円がもったいなくて、帰りは泣きそうだった。

 

6人目の人は、担当者が激しく勧める人だった。前の5人はイベント経由の人だったが、この人から通常の、担当者が紹介してくれる人である。ちなみに、担当者が紹介してくれた人のうち、会ってくれたのはこの人だけだった。紹介された人のうち、あと2人にお見合いを希望したのだが断られた。会ってもくれないのかよ!せっかく紹介されても、会ってもらえないのでは意味がないじゃないか。このシステムどうにかならないのか。会ってくれる人を紹介してほしい。

で、この人は長身で爽やかで、話した感じも悪くなく、印象が良かった。向こうもオーケーしてくださり、再び会うことになった。仕事終わりに食事をしたのだが、いい印象は変わらなかった。

 

が、ひとつだけ気になっていたことがあった。会ったときの印象はいいのだが、メールの印象がすこぶる悪い。かなりギャップがあり、最初は驚いた。もやもやしつつも、会ってみると悪い感じはしないので目をつぶろうと思った。誰だって欠点はあるし、お互い様だ。

しかし、限界が来た。もともと私はメールがあまり好きではなく、基本的に用件があるときにしか連絡しない。これまで関わってきた人たちも同じタイプが多かったので、毎日雑談を続けるということをあまりしたことがなかった。ところが、彼はしょっちゅうメールを送ってくるタイプの人だった。世間の人はこんな面倒なことをやっているのかと辟易しつつも、頑張って返信した。しかし、彼からの返信が早いので、返したと一息ついても、すぐに返信が来る。終わらない。内容も質問が多く、答えることに疲れてきた。こんなの会って話せばいいではないか、メールでこんなに話したら、会ったときに話題がなくなるだろと思った。

 

 

「今日は何するんですか?」

「何を食べるんですか?」

 

 

……うざい。

そんなこと聞いて楽しい?そんなことまでいちいち報告しなきゃならないの?放っておいてくれ。一人でいるときは一人の時間を楽しみたい派なので、他人に必要以上干渉されるとストレスになる。嫌になって返信しなくなった。

メールの内容と頻度に加えて、当初から、文末に「w」をつけてくることが不快だった。親しい間柄ならともかく、これから関係を築いていこうとする相手に「w」はないんじゃない?向こうの質問にこちらが答えて、返ってくるのが

「そうですかw」

聞いておいてそれかよ。小馬鹿にされているみたいで腹が立った。ひょっとして「w」の意味を知らずに使っているのかとも考えた。それはそれで無知だし、使うならちゃんと知っておけと思う。

会ったときの印象がよかっただけに残念だった。これくらいは我慢すべきなのかもしれないとも思った。でも、彼からの連絡がストレスでありプレッシャーだったので、ついていけるとは思えなかった。合わなかったとしか言いようがない。やがて、向こうから交際中止の申し出があり、承諾して終わった。

 

振り出しに戻り、精神的に追い詰められた。どんな人なら好きになれるのか、どんな人なら合うのか、私と合う人なんていないんじゃないか…。ちゃんと恋愛して結婚している人たちがすごい。タラレバでもそのような描写があったが、激しく共感した。なんで、みんなが当たり前のようにできていることを私はできないんだ。自分は欠陥人間なんじゃないか。自責と自己嫌悪が激しく、婚活をやめたいと思った。ちょっと休みたい。一人では抱えきれなくなり、母に電話した。28にもなって情けない。母もお見合いで父と結婚したのだが、それまで何回もお見合いを繰り返していたそうで、その頃のことを話してくれた。それを聞いていたらおかしくなってきて、元気が出てきた。気持ちを全部話したことでだいぶすっきりした。私は、落ち込みやすいが立ち直るのが早いので、すっかり立ち直ることができた。単純である。そして、母は偉大である。

 

婚活は就活とよく似ている。いやでも自分自身と向き合わなければならない。自分の嫌なところやダメなところを突きつけられる。そして、いいところまで行ったとしても、内定をもらえなければ、成婚に至らなければ、振り出しに戻る。 いつ終わるのかがわからない。人相手なので、自分が努力すれば、必ず結果に結びつくというものでもない。うつになる人もいるそうだが、わかる気がする。あまり思いつめず、ぼちぼちやるしかないのだろう。

さて、私の婚活どうなる!?

 

つづく

 

3/4 追記

*1:女性の側がついていかなければならないというのも不平等だが